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第3話《願い》

さて、今回は戦闘回です。今の主人公がどこまで抗えるか、どうぞご覧下さい。

「━━━━俺を鍛えてください。俺が後悔しないために」


 これが俺の本音。5年間悩み続けた結果行き着いた最善策だ。だからこそ俺は━━━━━。


「何故そんな事を頼む?ゆっくりと強くなればよいではないか。時間はまだいくらでもあるはずだ。なら、そんなに生き急ぐ必要はないだろう?」


 父さんには、俺が生き急いでいるように感じていたのか。━━━俺はやっぱり焦っているのかもな。


「理由‥‥か」


 そんなの簡単だ。


「まだ俺には人を殺すための覚悟がないんだ。そして、これはいつ付くのかも俺は解らないんだ。‥‥‥もし、俺が戸惑っている間に、俺の大切な誰かが殺されたとしたら?‥‥‥俺はそのことを後悔するだろう。もしかしたら自殺するかもね。‥‥‥だから‥‥‥だから、『殺さず、無力化する力を。』それを望むんだ」


「‥‥‥ふむ」


「私はいいと思いますよ?5歳でここまで考えられるのは、現実的に現状を理解しているんですから。それに、この子は私達の子供ですよ?子の願いをしてたな。叶えるのが親の仕事でしょう?」


 母さんがフォローをしてくれる。けど、そんな事よりも母さんが俺のことを私達の子供だと言ってくれた。それが何よりも嬉しかった。


「‥‥‥わかった。私達の子供なんだ。後悔はさせたくはない。協力しよう。だが、覚悟するんだな。私達の修行は厳しくなるぞ?」


 俺は不敵に笑う。そんな事、わかりきっていたことだ。なら━━━


「当然!俺は全力でやらしてもらうよ!」


 俺は両親と共に笑いあう。これからのことを夢見て━━━。


 ━━━━━

「さて、まずはリーヴェリアと戦ってもらう。フィーレンは魔法の練習をしていたんだろう?とりあえずそれを見せてほしい」


「うん、わかった。母さん、手加減はしてよね」


 ステータスをみた限り、母さんはかなり強いだろう。なら、俺はどこまで抗えるかだ。

 さあ、逝こう。


 ━━━━━

 体をほぐし、母さんを見つめ、油断ならない気配を感じた。


「さて、お互い準備は良いか?」


「ああ」「ええ」


「宜しい。フィーレンは魔法を一発でも当てたら勝ち。リーヴェリアはフィーレンを諦めさせたら勝ちだ。」


 ━━━集中。


「いくぞ!!試合開始!!」


 俺は両手を広げ、〈アイスマシンガン〉を十個起動する。そして、〈アイスマシンガン〉に《魔刃》を仕込む。


「いくよ、母さん!〈アイスマシンガン〉!!」


 母さんが障壁を展開する。━━━俺はそれを予想していたからこそ、〈瞬間加速〉を使い、背後に回る。母さんに気付かれては無いだろう。さあ、やってみよう。━━━ここで新魔法の創造だ。


 両手を前に突き出し、真ん中に空間が出来るようにする。

 そこに、氷の弾丸を創造━━━。雷を腕に流し、磁場を生み出す!


「さあ、いくぜ!━━━〈レールガン〉ッッ!!」


 雷鳴の如く、氷の弾丸が空を駆ける。

 よしっ。これなら━━━いける!

 母さんが驚いた顔をした。障壁をそちらにまわし━━なっ!!『全方位に障壁を展開』した!?

 くそっ、想定外だ!このままじゃ、レールガンも防がれ、本命の魔刃も防がれてしまう━━━っ。


 してやったりと、母さんの表情が語ってくる。まだだ、まだ何か出来るはずだ!

 ‥‥‥俺の現状最高火力は〈レールガン〉だ。貫通を考えてもレールガンを撃つのは正解のはず。

 なら、弾を改良━━━あぁ!そうだよ、俺にはあれがあった!

 よし、今ならいけるはずだ。さあ、賭けだ!


「〈レールガン〉、起動。《剣製》!!」

 もう一度起動したレールガンに込める弾丸は‥‥‥《剣製》で造り上げる!

 出来たのはただの鉄剣だが、それで充分だ!


「もう一発だ。これで勝負を決めるぞ!〈レールガン〉っ!!」


 俺のレールガンと母さんの障壁がぶつかり合う。どこからともなくミシッ‥‥ミシッ‥‥ミシッと、音がする。それは俺の剣か、母さんの障壁かはわからない。だが、どちらかが壊れた時が決着だ。


 パリィン!


 剣と障壁が同時に砕かれる━━━俺は、それと同時に《魔刃》を操作する。

 この一瞬が、最初で最後の隙━━━!

 ━━━魔力が霧散する。俺の攻撃が当たった感覚があった。

 俺は━━その━━光景で━━ああ━━め、が、‥‥‥


 ━━━━━

 見慣れた天井だ。

 ‥‥‥そうかそうか。俺は意識を落としていたようだ。

 あぁ〜惨敗か〜。多少は勝負になると思ったんだけどな‥‥‥母さんは障壁だけで手加減してただろうし。

 さて、今回の反省だ‥‥‥とりあえず、慢性的な火力不足かねぇ。あとは判断が遅れたことか?自分のスキルはしっかりと理解しておくべきだな。

 とりあえず今後は、スキルの検証をしていくか。

 まあ、今はもう一度寝ようかね。ああ、だんだん眠くなってきたな‥‥‥。


 ━━━━━

 《sideリーヴェリア》

 今日は本当に色んなことがあったわね〜。

 フィーちゃんは転生者だってことも初めて知った。だけど、そのおかげで、それまでの行動にも納得がいったわ。

 今日一番驚いたのは、やっぱり私の魔力障壁を砕き、攻撃を当てたことかしら。

 私、本当は一発も当たらせないようにしてたのよ?だから、魔力障壁もほぼ全開で展開もしたし。

 でも、フィーちゃんはそんな私の思惑を越えて、魔力障壁を砕いた。あり得ないと思った。あってはいけないことだと思った。けど、それが真実。

 これ以上はやめておきましょう。それより、数時間もたったけど、いまだにフィーちゃんは起きてこない。

 お母さんをここまで心配させるなんて、きっとフィーちゃんには人を心配にさせる才能があるんでしょうね。

 そうそう、これからは、この世界の歴史や常識を教えていかないと!

 楽しみねぇ〜。今度はどんな一面を見せてくれるのかしら?


 ━━━━━

 《sideフィーレン》

「今日は勉強を始めたいと思いま〜す」


 昨日の件から一転、今日、母さんは唐突にそう言ってくる。


「なんで?一応聞くけど俺、まだ五歳だよ?もうしばらくは勉強しなくてもいいと思うけど」


 そう。そこなのだ。俺が今勉強する理由はどこにもないはずだ。なのに何故━━━。


「そうねぇ。理由は、フィーちゃんって転生者な訳でしょ?だから、これから色んなところにいく時、変なことを口走ったりしそうなのよ。あっ、ちなみに、これは夫も了承してるわ」


「うーん、そんな理由なら仕方ない、のか?俺だって好き好んで変なことは口走りたくないしね。わかった」


「ありがとうね。じゃあ早速だけど、まずは世界についてからね。」


 ほう。世界についてねえ。俺の前世はある程度はわかっているが、この世界はどういう位置づけなのかは気になるな。


 ━━━━━

 この世界は、生い立ちはまだわかっていない。ただ、ある日突然生まれたとも、神が造り出したとも言われている。


 神が造り出したと言われている通り、この世界は、六つの主神と幾千もの神が存在する。

 六つの主神の名は、『創造神アルリテアラ』、『破壊神ディルクリア』、『叡智神グリアーデ』、『時空神クロリアラス』、『遊戯神プレイテイル』、『改変神ワールゼルア』だ。

 しかし、破壊神はその性質上、邪神とされている。


 次に、五つの国がある。

 勇者の国『シャインライト王国』

 東洋の国『ブライトエンス和国』

 魔導の国『テールマギアス皇国』

 聖女の国『ライトクラウス法国』

 亜人の国『ハーフェリアス帝国』


 この内、王国、法国が一番歴史が長い国だ。


 ━━━━━

 割と興味深い話があったな‥‥‥神さまか。俺が転生した理由も知ってるのかね。あと、和国。どうやら、かなり昔だろうが、転生者がいたっぽい。


「以上かしら。次は‥‥‥そうね。魔法について教えましょうか」


「マジで!?やった!魔法は楽しみにしてるよ」


 俺の魔法は独自のものしかなく、きちんと形体化した魔法は知らないからなぁ。魔力の無駄も多いしね。


 ━━━━━

 さてさて、午後。両親と妹と楽しい昼食を食べ、特訓のお時間です。


「とりあえず、しばらくは走り込みと筋トレをしていてくれ。正しいやり方は教えよう」


「オッケー。まずは走ってくるね‥‥‥あっ、どこを走れば良い?」


 俺のいる家は、実はそれなりに広い。庭は大体体育館位の広さ‥‥‥だが、家は別にそこまで広くはない。まあ、一般的な広さだろう。


「そうだな‥‥‥この庭で充分だろう。周り続けていてくれ」


「わかった」


 俺は深呼吸をする。頭をクリアにし、走るのに最適な走り方を意識し━━━加速する。


 ━━━━━

「ふぅっ、はっああ〜、はあっ、はあっ」


 過呼吸に陥った。正直、もう限界だ。しかし、五歳の身にしてはめちゃくちゃ走ったと言えるだろう‥‥‥目算だと、一往復二十メートル程か?それを四十往復ほどか。この後すぐに筋トレか‥‥‥俺の体、もつかなぁ?


「よし、もう大丈夫なようだな。なら、まずは腕立て伏せからだ。やってみろ。」


 ‥‥‥オワタ。

 いいぜイイゼやってやんよ!限界なんて超えてやらぁ!


 ━━━━━

 監修《俺》の筋トレ講座〜腕立て伏せ編〜


 まず、大前提として、体が反らないようにし、少しだけケツを上げるように意識します。

 つぎに、腕を曲げます。このとき、胸は地面につくスレスレまで体を落とし、自然体で持ち上げます。無理やり腕で持ち上げてはだめです。あくまで、自然体を意識しましょう。


 意識するのはこれだけです。腕立て伏せの種類は、

『腕を肩まで広げる方法』

『腕は体の一直線上におき、縦に曲げる方法』

『腕立て伏せの最中、体を起こす時に、体を跳ね上げ、手をたたく方法』


 が主に俺がやる方法です。


 目標は1日三つの方法をそれぞれ二十回をワンセットとし、それを五セットの計三百回やりましょう。

 ━━━━━

 俺は目標は最終的に十セットはしたいと思ってる。


 ━━━━━

「カヒュー、カヒュー、ゲボアッッ!!」

 やりきったよ。やりきったよ例の人さん‥‥‥


「よく耐えたな。だが、これを毎日続けていくんだぞ‥‥‥まあ、今日はもう休め」


「はいッッ、ありが、とう、ございましたぁッ」


 あー、もう限界だな。あとはメシ食って寝る!んで明日も頑張ろう!

戦闘回とは言ったものの、短かったですね。理由としては、今の主人公じゃ、MPが足りず、長期戦は出来ないのが主な理由です。

さて、次回をお楽しみに!

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