溢れる力
凄い!体が軽い魔力が溢れて来る。
『く、くそぉ!魔法少女るりめぇ!』
負ける気がしない!
「ディバインシュート」
『ぎゃああああ!!』
最近の頭がぼーっとして、力が入らなかったのが嘘みたい。
多分彼のお陰なんだろなあ、と駆け寄って来る谷口くんを見つめる。
「すごいや虹川さん!圧倒的だった」
彼を見てると胸がドキドキして幸せな気持ちになる。
「あの...苗字だとバレちゃうから名前で呼んで欲しいな」
「えっ?あ、えっとそうだね」
谷口くんが顔を赤くしている。
「るり...」
いきなり呼び捨てでドキリとした。
彼がまっすぐに見つめてくるので、恥ずかしくて俯いてしまった。
「は、はい...」
正体を隠さないといけないのはほんとだけど、名前を呼んで欲しくてちょっとズルしちゃった。
「は、恥ずかしいな...」
顔を上げると更に谷口くんは顔を真っ赤にしていた。
「うん...照れるね」
それから谷口くんに家まで送って貰った。
その間、手を繋いでくれないかなとか、もっと一緒にいたいなとかいろいろ考えてしまって、自分は欲張りなんだなってびっくりしちゃった。
〜〜〜〜〜
昨日の虹川さん凄かったな、前よりも強くなったんじゃないだろうか。
そんなことを思いながら、早起きしたので早朝のランニングをしていた。
「はあ、はあ..ふぅ」
自動販売機からジュースを買い、一息つく。
いつもはもっと長く走るのだが、もう今日はいいかなと思い帰ることにした。