二人の気持ち
谷口くんと付き合う事になっちゃった。
参考書を開いて勉強しようと思ったけど、全然頭に入らない。
少し頭を冷やそうとベッドに横になった。
「ん〜〜〜っ!」
告白された事を思い出してしまって。
枕に顔を埋め悶えてしまう。
「どうしよう嬉しい...」
実は谷口くんとは幼稚園から一緒だった。
といってもあまり話したりはしなかったし、幼馴染という訳でも無かった。
小学校になって、体育で球技の授業があったの。
私はその中でもドッジボールが怖かった。
それで私にボールが飛んで来た時、怖くて目を閉じて身動きが取れなかった。
バシッ!
「大丈夫?」
目を開けると谷口くんがボールを受け止めて私を守ってくれていた。
谷口くんはすぐボールを敵チームの誰かにぶつけに行った。
谷口くんにとっては特になんでもない事だったと思うけど。
私はその日から谷口くんを目で追うようになっていた...。
「そんなに谷口くんの事が好きなんだね」
マシュマロがぴょんとベッドに上がって来た。
「うん...」
マシュマロが居たのに悶えてた自分を思い出して、少し恥ずかしくなる。
「るりも辛そうだったしペアリングが出来て良かった!これからも大変だと思うけど無理をしないでね!」
ペアリング?マシュマロのいた世界でのカップルの事かな。
「うん頑張るよ」
これからもこの街と彼を守ってみせる。
〜〜〜〜〜
「はあ..はあ..はあ...」
あれからずっと走り込みをしていた。
嬉しい...。
勢い任せだったけど告白が上手く行って、虹川
さんと付き合える事になった。
でも彼女は魔法少女るりだ。
俺に何かできることは無いかな...。
今思えば、彼女が最近元気が無かったのは受験勉強だけじゃ無かったんだ。
毎日怪人を相手にしてたらそりゃ疲れるし、気が休まらないだろう。
今までなら魔法少女るりはヒーローで、そんな悩みなんて無いだろうって勝手に思っていたけど、正体が虹川さんってわかったなら別だ。
彼女は優しすぎるから頑張っているんだろう。
彼女は昔から怖がりだし、そんなに強く無かったから...。