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猫の魔女

猫の魔女、マッチ売りの少女を救うのこと

作者: SHIN
掲載日:2019/01/01

冬の雪の降る夜・・・


みすぼらしい少女が、道行く人にマッチを売っていました。


「マッチは、いりませんかあっ!」


しかし、この文明と経済が発展した昨今・・・


石油ストーブや暖炉には、ライターで火が付けられます。


必要としないものを誰が、買うでしょうか・・・


やがて、夜も更けてきたころ・・・


「寒いな・・・

他の人たち・・・

もうみんな帰ってしまったころだわ・・・」


さすがに、買ってくれる人がいても、夜では誰も通りません・・・


そんな時・・・


ほうきに乗った魔女が、ふわりと舞い降りたのでした・・・


「ようやく見つけたにゃ!」


その魔女は、猫の耳と尻尾を持っています。


「あなたは?」


少女は、遠慮がちに尋ねます。


「私は、魔女ミーニャ。

人の頼みを聞いたり、悪魔を退治したりしている魔女にゃ。

今度のお仕事は・・・

あなたをリメイル伯爵のところに連れていくことにゃ。」


「えッ!?

伯爵様!?」


リメイル伯爵は、この辺りの領主様です。


「十二年前・・・

お家騒動で、伯爵様の娘が誘拐されたにゃ。

伯爵様は、ご自分でほうぼうをさがされたけど、見つからなかったにゃ。

そうしてつい昨日・・・

私がご挨拶にお城にいったとき・・・

ようやく見つけたあなたを迎えに行って欲しいと、お願いされたにゃ。」


「そういえば・・・

私の両親は、私を道端で拾ったって・・・」


「右腕を見るにゃ。」


ミーニャに従って、右腕を見えます。


何やら紋章のようなアザがあります。


「これは、伯爵家の紋章にゃ。」



ミーニャは、少女を連れてお城へ向かった。



「初めまして・・・

伯爵様・・・」


カチコチに固まった少女は、「父」に挨拶します。


「かしこまらんでいいよ。

しかし・・・

捨てられていた子とはいえ・・・

自分の育てた子をこのように働かせていたとは・・・」


伯爵様は、自分の実の娘が働いていたことよりも、娘の「家」の事情が気になったのです。


そう。


伯爵様は、科学者や錬金術師の研究から、よいものを領内に導入して、領を豊かにして尚且つ領民を学校に行かせて、誰もが仕事を持てるようにしているのです。


「さあ。

娘よ。

聞かせておくれ。

お前の住んでいた街は、どうだったか・・・」



やがて・・・


道端で、マッチを売っていた少女は、本当のお父さんのもとで、心のこもったお仕事のお手伝いをして、領地みんなの生活を守っていくことになったそうです。


そうして全てを見届けて・・・


「黒猫の魔女」は、また別の場所に飛び去ったということです・・・

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