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第7話 『他国からのちょっかい』

 アレクはその後も順調にクエストと素材の買取で1日平均小紙幣1枚(1000円)を稼いでいった。


 そもそもお金なんてものは、よっぽどのことがない限り、そんなすぐ増えることはない。


 アレクにとってお金を貯めること以上に歳をとることの方が、よっぽど難易度の高い目標だった。


 しかし、その過程としてのお金を貯める行為として、もっと稼ぐことを計画していた。


 前世でお金を稼ぐ良い方法として、医者という選択肢があるが、ここレグスでは回復魔法があるため、医療はあまり必要とされていない。


 確かに回復魔法を使える魔法使いが多い訳ではないが、それなりにいるのが現状だ。


 そこで俺が考えたのは、金貸しである。レグスにおいて、銀行やらの金融機関は存在しない。よって、ルールもなければ法律もない。


 俺は冒険者相手にトイチの金貸しを始めた。ただし高額な取引はしないことが前提だ。高額でのトイチには踏み倒しの危険が多いため、最高でも大紙幣1枚だ。


 冒険者への金貸しは、基本的に毎日の返済をお願いしている。つまり小紙幣1枚を借りると毎日銀貨1枚と銅貨1枚を10日間返済させるような小規模な取引だ。


 冒険者は特に武器が壊れるなどの突然な出費が発生することが多く、そのような相手に金を貸すことで契約者を増やしていった。


 そんな副業もしつつ、俺は順調にクエストもこなし、1年が経過し所持金が100万を越えていたのだった。


 そしてアレクは今日もまた、クエストを受けに冒険者ギルドに訪れた。


「アレクさん、おはようございます」

「おはようございます、キャメロットさん」


 いつもの挨拶をしていると突然、腰に刀を着け、袴姿の一人の男が扉を激しく開き、入ってきた。


「ちょっといいか」

「はい、どうかなさいましたか?」

「俺はイーストランドギルド所属のランクA冒険者のユーマだ。ここのギルドマスターに話がある」

「は、はい。少々お待ち下さい」


 キャメロットは急いで階段を駆け上がっていき、ゴードンを連れて戻ってきた。


「俺がミッドランド冒険者ギルドのマスターだが、ユーマ殿、何用かな?」

「あんたがギルドマスターか。うむ、まぁここでもよい…実は俺が追っていたモンスターがミッドランドに逃げてしまった。ただ俺も忙しく、このまま討伐するにも土地勘がないので、こちらのギルドで討伐してほしい」


「んん、それでどんなモンスターを逃したんだ?」

「ランクBの土竜だ」

「竜種かあ」

「ああ。じゃあ頼む」


 ユーマという侍はゴードンにそう伝え、そそくさとギルドを出ていった。


「くそ〜、とうとう来やがったか」


 ゴードンはそう呟き、天を仰いだ。


 そんなアレクはゴードンを見て、なるほどとそっと頷く。


「ゴードンさん?」

「おぅ、アレクか」

「ゴードンさん、さっきの方ってもしかして…ミッドランドに無理矢理モンスターを討伐させるためにドラゴンを連れてきたんじゃないですか?…それでミッドランドの勢力を減らそうと…それによって、ミッドランドの軍事力を下げ、侵略しようという変な気を起こさないようにするための行為ってとこですか?」

「お、おぅ。その通りだ」


「こう言うのって、定期的に仕掛けてくるんですか?」

「まあな。ただ今回のはおそらく、ミッドランド冒険者ギルドの異常なクエスト数の達成の増加と素材の買取に目をつけられちまった可能性が高い」

「それって、もしかして僕がかなり影響してたりしませんか?」

「うーん、どうだろうなぁ。お前のクエストは所詮ランクEのものが多いからそこまでの影響はないと思うが、ミッドランドでもランクを上げている冒険者が増えているのも事実だ」


 実は他の冒険者がランクを上げている原因の一つにアレクの存在がある。

 それはアレクの金貸しだ。

 アレクが冒険者に金を貸すことで、本来買えなかったはずの武器や防具を冒険者が手に入れることで、他の冒険者のクエスト達成に大いに関わっているのだ。


「ゴードンさん、なんか申し訳ありません」

「アレクが気にすることはない」

「そうだゴードンさん、僕がその土竜討伐します」

「何言ってんだ。お前にはまだ依頼出来ねえ」

「だから正式な依頼は無理ですが、内密になら可能ですよね。ゴードンさんには僕の強さもわかってもらっているとは思うんで」


「なるほどなあ。ただ土竜はランクBのモンスターだが、ほぼランクAに近い強さだぞ」

「はい、任せて下さい。実はさっきから僕の魔力感知に捉えているので、なんとなくですが強さもわかってます」


「なに〜、もうそんな近くまで来ているのか?」

「いや、まだ50kmぐらい先の山奥にいますね。そこで停滞してるみたいですが」

「お前、そんな先まで魔力感知出来るのか?」

「はい、ただあまり感度は良くないですけどね」

「ハハハ、恐れ入るよ、まったくお前には」


「じゃあ、討伐に行ってきます」

「ああ、土竜は硬いから気を付けろ。変に武器で攻撃すると武器がイカれちまうからなあ」

「はい、わかりました。魔法中心で行きます」


 そうしてアレクは土竜討伐に向かうのであった。



読んでいただきありがとうございました。

今後とも宜しくお願いします。

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