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第6話 『衣食住』

『衣食住』


 生きていく上で必要となる要素だ。

 今の俺には、衣について家から着替え用の服数着と防具としての革の鎧、靴、武器としてショートソードはすでにあるため、衣については確保できている。


 食については、試験料として銀貨2枚を使ったものの、選別としてもらった銀貨が残り10枚あるため、腹が空けば、食べ物を買って食べればいい。


 ちなみにレグスにおけるお金の種類には、銅貨、銀貨、小紙幣、中紙幣、大紙幣、金貨がある。銅貨10枚で銀貨1枚。銀貨10枚で小紙幣1枚。小紙幣5枚で中紙幣。中紙幣2枚で大紙幣。大紙幣10枚で金貨1枚となっている。


 そのため銅貨を10円と考えれば、銀貨が100円玉で小紙幣が1000円札。中紙幣が5000円札。大紙幣が1万円札と前世と同じ感覚でわかりやすいものだ。


 しかし物価は全然違い、1食は銅貨2〜4枚とかなり安い。


 そして住については、宿の確保が必要だと考えていたが、冒険者ランクがEになったことで、冒険者ギルドにある部屋を無料で借りることができ、住の問題も解決した。


 これで衣食住、すべてを確保出来た俺の次の目標は、マジックアイテムの入手だ。


 もちろん自分でもマジックアイテムを製作することはできるが、作るにしても素材は必要であり、素材の多くはモンスターから入手すればいいのだが、これはおいおい素材を集め、自分で作ることにしている。


 俺が今最も欲しいマジックアイテムは、武器や防具ではなく、『忠誠の誓い』とよばれるアクセサリーだ。


『忠誠の誓い』は、君主となる者が、部下に指輪などを身に付けさせることで、その部下の忠誠度を数値で管理できる効果がある。


 俺のこれからの世界征服において、部下は必ず必要になる。

 確かに自分一人で単純に強さだけでいけば、レグスの世界でもナンバーワンになることは可能だと思う。しかし、ナンバーワンイコール世界征服ではない。


 そもそも一騎当千なんていう力があったとしても、それは戦争における話だ。

 仮に俺がもしとんでもなく強い個体と戦うのであれば、千人を一気に向かわせるのでなく、それこそ一人ずつでも、相手に休息を与えないように攻め込むことをする。

 睡眠や食事を与えないように攻め込まれれば、いかに強い個体であっても、最後には力尽きるであろう。


 だからこそ仲間は必要だ。しかしその仲間についても裏切りなどが起こる可能性はあり、敵なんかよりもよっぽど怖い存在になり兼ねない。


 歴史なんかでも大抵力を持った者は裏切りによる末路をむかえてしまうものだ。


 だからこそ、『忠誠の誓い』はとんでもなく優秀なマジックアイテムである。


 ただこの『忠誠の誓い』は、レグスではごく普通に買うことのできるアイテムになっている。価格としても、金貨1枚と手が届かないような高価な品ではない。


 だから俺はまず、お金をため、『忠誠の誓い』を入手することにしたのだ。



 アレクは冒険者ギルドに登録した次の日。


「アレクさん、おはようございます」

「おはようございます、キャメロットさん」


 アレクは早速、クエストをこなすべく、冒険者ギルドの受付に仕事をもらいに来ていた。

 昨日は試験やその後のランクEの冒険者としての説明や注意事項などを受けたことで、時間がなくなってしまったため、クエストを受けることが出来なかった。


「キャメロットさん、モンスターハントの依頼ありませんか?」

「えーっと、ラビットホーン5体の討伐があります。報酬は銀貨1枚になります」

「それやります。そのほかにも薬草の採取や他のモンスターの討伐ってないですか?」

「待って下さいね。あっ、毒消し草の採取がありますね。モンスターについては、アレクさんが対応できる討伐は、ラビットホーンだけですね」

「わかりました。じゃあ毒消し草のクエストもついでにやらして下さい」

「はい、ではお願いします。ラビットホーン5体探すの結構大変ですが、大丈夫ですか?毒消し草まで探すなんて」


「問題ないです。じゃあ行ってきますね」

「はい、お気をつけて」


 そうしてアレクはラビットホーン討伐クエストに向かった。ラビットホーンはミッドランド周辺に現れるランクFのモンスターでウサギに角が生えた生物だ。はっきり言って弱い。それこそ、本当にウサギに角を生やしただけといってもよい。


 ただ何が大変かと言うと、弱いこともあり臆病な性格のため、中々見つけ出すのが難しいという点がある。


 しかし、アレクにはサーチフィールドがあるためそれこそ半径3kmもあれば、簡単に5体見つけることが可能だ。


 毒消し草についても、ラビットホーンに向う途中で生えていれば、採取すればいいだけで、なければ嗅覚を強化させ、見つければいいのだ。


 こうしてアレクは、ラビットホーンめがけ一直線に進み森の中に入っていった。


 その途中でランクEのゴブリンやグレイウルフなどのモンスターもハントしたりして、素材を入手していった。


 途中、ハントしたモンスターの肉を焼いて食べるなど、昼食も済ませ、無事にラビットホーン5体の討伐として、5本の角を回収し、毒消し草も無事に採取出来た。


 アレクが本日採取出来たものは…

 ラビットホーンの角5本。

 ゴブリンの腕輪8個。

 グレイウルフの皮6枚。

 毒消し草13本。

 モンスターの小魔石20個。


 小魔石については、スライムなど素材のとれないモンスターもハントしていた。


 アレクは冒険者ギルドに戻り、本日の稼ぎとして、銀貨8枚と銅貨9枚(ざっと890円)を得ることになった。


 買取をキャメロットにお願いした時、

「アレクさん、今日だけでこんなに」

 なんて驚かれもしたが、そもそもホーンラビットを5体見つけるにも普通の冒険者であれば、3、4日かかるらしい。


 ちなみに普通のランクEの冒険者は1日でだいたい、銀貨2枚あれば上出来らしい。



 こうしてアレクの冒険者としての1日が終わり所持金は銀貨18枚銅貨5枚の1,850円となったのであった。

(晩御飯として銅貨4枚を使用している)



読んでいただきありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。

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