お姫様 未来視統べる その力
扉を開けるとそこには獅子の紋がついた冠を被った一人の少女が居た。
「私が獅子の使徒のレオニクス・ブレード・姫奈。よろしく頼むぞ。」
そういうとその少女は右手を星のほうに突き出した。星はその手を握り返しながらこう言った。
「よろしく…お願いします…。」
「硬くならなくていいぞ。気楽にしてくれればいい。ふむ…おぬしは本当に射手の使徒のようだな。」
星は祈愛に耳元でで囁いた。
「えらく高圧的な喋り方だけど怒ったりしてないよね?」
「いつもこんな風ですよ。」
ニッコリと祈愛はそう答えた。
「改めてよろしく頼むぞ。私の能力だが…まあいい祈愛もそこで聞いておけ。私の能力は未来変動だ。まだ、未来視と多少未来を変動させれる程度だがな。それで?祈愛の能力をまだ知らんのだが。」
「そういえば姫奈ちゃんに私の能力言ってなかったね。私は空間接続を使えるよ。」
「姫奈ちゃんはやめろと言っているだろう。」
その様子が可笑しくて星は笑った。久々に自然に笑っていた。
「それで?おぬしは能力無しなのだろう?」
「はい。」
「んじゃあ私が言われた伝言を伝えよう。」
星は正直祈愛の話の続きが知りたくてウズウズしていた。
「私が聞いたのはお前の能力のおおまかな内容だ。なんでもおぬしの能力は基本仲間に対して使うものと言っていた。そして、すべての能力の集合体のような能力とも言っていた。」
「ん?それじゃあ覚醒したら私や姫奈ちゃんみたいな能力が使えるってこと?」
「いや、それは私にもよく分からん。だが希望だとか言っていたな。」
改めて私が希望だという言葉を聞くと能力を持ってないことが不安になってくる。
「その…私が希望って本当なの?能力が覚醒してない私なんかにいくら星天王だって希望なんて言うとは思えないんだけど。」
「それだけ覚醒した後の能力が強いってことなんだろう。」
「私もそう思います。星さん。」
「まあそんなことより、私はおぬしについて行かねばならないのだ。そうだな…おぬしというのもあれだから星でいいか?私の事も気軽に姫奈と呼ぶがいい。」
「姫奈ちゃんでもいいんじゃないの?」
「私は一国の第二王女ぞ。他の国なら友でも様付けしなければ首をはねられてしまうぞ。」
「そういって本当はうれしいんでしょ?」
「う、うぬぬ…」
また自然と星は笑顔がこぼれた。