勇者がストーカーになりました、お父様助けて……
久々に書きました♪
拝啓 親愛なる魔王さま
お久しぶりです
前回のお手紙で勇者さまが召喚されたことをお知らせしましたね
わたくしの魔王即位に際して起こった魔物の増加に対処するためでした
500年毎に魔王が即位する際は毎回起こることですが魔力の歪みから生まれた魔物をわたくしたち魔族が倒すことは出来ません
ですので今回も異世界から勇者さまを召喚し、魔物を倒していただく筈でしたが
なんと勇者さまは働いてくれませんでした
なんでも異世界にいたときも自宅警備員というお仕事をなさっていたらしく王城からでてくださらないのです
ですのでわたくしも説得しようと思い勇者さまに会いに行きました
そしたら勇者さまは城を飛び出して次の日には魔物をほとんど倒してしまわれました
あれほどの数の魔物を殲滅される姿は流石勇者さまだと感心いたしました
そして数日後わたくしのいる魔王城にいらしてわたくしの求愛をされました
なんでもわたくしに一目惚れをなさったのだとか
だから魔物を倒してほしいというわたくしの願いを叶えてくださったそうです
ですが勇者さまは人ですし、わたくしは魔王ですから婚姻は簡単に結べません
それにわたくしはお父様とお母様のような恋愛結婚をしたいんですの
だから当然お断りしました
そうしたらそれから毎日勇者さまは魔王城にいらっしゃるようになりました
勇者さまの世界の道具の『とうちょうき』なるものや『どこでも○ア』というものを創造のお力で具現化されて
いつの間にか傍にたっていたり、わたくしと側近が話していた内容を把握されているのです
これはお父様からお聞きした『すとーかー』というものではないでしょうか
勇者さまには、わたくしが何をいっても話しかけたことに喜んで
わたくしの話をちゃんと聞いてくださらないのです
お父様、助けてください……
☆補足説明☆
その1 魔王さまのお父様は転生者
だから微妙に魔王さまは勇者さまの世界の単語を知っています
その2 魔王が即位したら魔物が発生するのは魔力の歪みが発生するからです
魔力が歪むのは魔王が即位すると世界に魔力を満たすからです
人間にも必要なことなので討伐とか敵対はないです