正妃様代理の道五日目
「それで、クルスさんは判りますがお二人はなぜこちらに? 」
先ほどから疑問に思って居たこと口にした、蛍とてバカではない、理由なしに来る事はないと思ってないが、もし何らかの理由があるのならそれは早めに聞いておきたかった。
その様子にクルスは人払いをしてから、先ほど持ってきていた本を蛍の前に置いた。
「それは後程お話しますが、まずはこの本を、これは貴族の名前や家族構成、そして他国の王族の事が記載されています。
現時点では婚約者扱いになりますが、正妃様と同じ事を求められますので覚えていてください、中に載っている方でこの用紙に書かれている方が後宮に滞在されている令嬢方です」
分厚い、電話帳思い出すな……えられるかな、記憶力悪い方ではないけど、これは心してかからないとボロが出ちゃうな、って私読めるのかなこの世界の文字……そう言えば何でこの世界の言葉を話してるのかな、日本語に聞こえるから全く気づきもしなかった!!!
「そして、私が同行した理由ですが、ホタル殿の肉体に活性化の魔法と治癒の効力が上がる魔法、毒の耐性つける魔法をかけるため参りました、本来なら王宮に居るときに行いたかったのですが時間が無かったもので、もし質問があるのでしたら答えられる範囲でお答えしますよ」
サフィロさんの説明を聞きながら、さっき気づいたことに内心首をかしげてしまった、まあ寝ているうちにかけたのだろうかと結論づけたが、好奇心もあって聞いてみることにした。
「ありがとうございます、では質問したいのですが、私はこの世界の方と普通に会話ができていますが、魔法でもかかってるのでしょうか? あとこの世界の字とかわからないと思うのですが、何か対策はありますか? 」
生活していく中で文字が読めないのはさすがに痛い、それにこの世界の人で生きている人を装うとなると不自然すぎる。まあ本音を言えば本が読めないのが一番つらいんだけど、本を読むのは私の趣味の一つだしね。
「質問の答えですが、異世界より召喚した際にホタル殿の肉体はこちらの世界の人と同様な肉体に変化しています。 もともと世界が違うと言うことは内に秘めたる物が違うと言うことになりますので、そのままでは肉体や精神に影響が出るので肉体を変化することで保たせているのです、文字は理解できるように術を施してあります。 」
魔法って便利、と言うことは見た目変わらないけど中身はこちらの世界の住人って事かな? それなら納得だわ、それに本も読めるみたいだし後で何冊か借りてみようかな、どこでそんな話題になるかわからないしね(本音は本を読みたいだけ)
早速、サフィロさんは私に必要な魔法をかけてくれた、見た目の変化が確実に表れる活性化以外はその場になってみないと判らないが、活性化のおかげか肌がいつもよりハリがあるように感じ、心がついつい弾んでしまったのは私の心にだけ留めておきたい。
結局、リーリオさんは本を借りる用事のついでに意中の令嬢(私)に会いに来たようで、私は本のついでかとちょっと思ったが、気にしても仕方がないので流していたら、クルスさんとサフィロさんが怒ってくれたのでちょっとザーマミロと思ってしまった。
そのままお説教に突入しそうだったので、クルスさんに先に戻ることを伝え、同時に本を借りる許可を得てそのまま応接室を後にした。
出ていく際にリーリオの悲痛な叫び声が聞こえた気がするけど、聞こえないふりをしてそのまま自分の部屋に戻っていった。
(私もクルスさん達を怒らせたくないので、頑張ってください~ )
その後お説教は三時間にも及んだと、後からミリアさんから聞いた蛍は、あの二人は絶対に怒らせてはいけないと改めて心に誓ったのだった。




