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後宮での生活 22

すっかり遅くなって申し訳ありません!

「前から気になっていたんだけど、リーリオの花嫁さん候補って他の国のお姫様とかっていなかったの? 」

「詳しい事は判りませんが、殿下と年齢の釣り合う方が居ないとかで、国内の貴族のご令嬢から花嫁をとの話になったと聞いております。今回の行儀見習いには国外の王族の方やご令嬢も勉強の一貫でお迎えするお話も出ているようです、ただ正式に決まっては居ないと、それとこのお迎えするお話の発案者は王妃様の様です」


 それで国内の令嬢に白羽の矢が立ったわけか、運良ければ未来の王妃に自分の娘がって思うから行動も過激になるのかな、全く理解できないけど。

 それにしても、王妃様も大胆な事を考えるな~、でも私そんな話が上がっているって聞いていないけど……


「知らないよね、クルスさんこの話……」

「はい、知らされていないと思います、私も女官長様からお聞きした位ですので、本当にお迎えするのかはまだわかりませんが、確実に計画を立てられていると思います」

「そっか、気になるけど、計画の段階ならまだ聞かない方が良いのかな、じゃあ私はこのまま作業に戻ろうかな」


 蛍は作業に戻ろうとした時、慌てた様子のフィアが部屋に駆け込んできた。


「申し訳ありません、蛍様、王妃様がこちらにおみえになっております、すぐにお越しください」


 慌てた様子で話すフィアの言葉に蛍達は慌てて王妃の元に向かうと、応接室で優雅に紅茶を飲んでいる姿に慌てて会釈した。


「お待たせてして、申し訳ありません」

「気にしないでね、突然の訪問だったから驚かせたでしょうね、作業は進んでいて? 」

「はい、もう少しで終わりそうです」

「あまり、無理はしないでね、ここ最近は根を詰めていたのでしょ」


 心配そうな王妃様の様子に大丈夫ですと言いながらも心配してくれるのが嬉しいのか、蛍は笑みを深めた。

2人で他愛もない話をしていたが、先ほど聞いた話が気になり、思い切って聞いて見たが


「その話なら、もう決定しているわよ、お迎えする王女様も決まっているわ」


 やっぱりですか、それよりもう決定事項ですか、王妃様!!!行動力ありすぎです……


「私はね、あの子が一番だと思える子を花嫁にして欲しいのよ、王妃の立場で考えるとあまり適切な発言ではないけど、それでも欲や権力に魅入られる者にこの国を任せられない、何よりもあの子たちはには覚悟がないもの、私は覚悟の背負える子が良いわ」

「覚悟ですか? 」

「ええ、もし自分以外に側室を迎える事になったら、自分に子が出来なかったら、王に側室を進めないと行けない、王の役目の一つは次世代を残すこと、王妃もまたその役目を担っているわ、でも自分の身勝手な嫉妬でそれを阻むことは許されないの。どんな事でも笑顔で受けいれ、平等に対応しないといけない、決して自分優位の考えをしてはいけない、自分の子ではない側室の子を育てる事もあるのよ、でも今この後宮にいる令嬢達はそんな事を全く考えていないわ、自分さえよければ良いと思って居る、そして王子(リーリオ)に選ばれれば良いとね、でも選ぶのは王子だけでないわ。この後宮に入った瞬間から審査されているのよ、現時点で全員不合格。たとえ王子(リーリオ)が選んだとしても、だからこそ可能性は少しでも広げておきたいの」


 微笑みながら話す内容に王妃様の背負っている世界が少しだけ垣間見えた気がした、少しだけど

 そこまでなら、王妃様の素敵だと思えたのだが、そこからどう後宮にいる令嬢達(別名肉食獣)を追い出すかなど楽しげに話す姿に違う意味で凄いと思わずにはいられなかった。


「まずは、今回の行儀見習いに伴い、令嬢達には後宮を出てもらう予定なのよ、行儀見習いに参加する場合を除いてだけど、その場合は貴族の階級関係なく行儀見習いに参加して頂くように通達してあるわ、居てもらっても、邪魔……迷惑でしかないもの」


 王妃様、言い方変えていますが同じです、若干ひどくなっている気がします……


「そ、それで、皆様の反応はいかがでしたか? 」

「文句は少しは出たみたいだけど、正妃の名のもと決定している状態で居残るのは体面も悪いと思ったのね、数人は後宮を出る事を、あとは行儀見習いに参加すると連絡が来たわ」

「そこまでして、得たい物なのでしょうか? 」


 若干引き気味の様子で言う、蛍の様子に王妃は苦笑するしかなかった。


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