クリスマスのいたずら 中編
それはクルスさんの一言で決まった。
食事を終えて、リーリオは嬉しそうにプレゼントを抱えながら自分の部屋に戻り、私もそのまま寝る準備をしていた時、赤と白の衣装(サンタ服)の仮装をしたクルスさんと何故かトナカイの衣装を着ているサフィロさんが来た。
正直、良い予感がしないと思った瞬間
「今からクリスマスプレゼントを配りに行きますよ」
「えっ?」
クルスさんの様子からして冗談ではないと判断できた、だって後ろでたっているサフィロさんが半泣きだったから
「ですが、もう寝ないと明日にも「大丈夫ですよね」・・・はい」
サタンクルス・・・もといサンタさんのクルスさんの笑顔を前にして私には拒否権がなかった。
『だからって、なぜ私までサンタの服を着ないといけないんですか?』
抗議する私にクルスさんは楽しげに笑いながら、静かにと小声で言いながら、人差し指を口元に当てていた。
クルスさんがサンタだから私は着替えなくて良いと思って居たのに、用意周到に衣装が用意されていた(サイズも合っていた)
着ないという選択肢を選ぶことは出来ずに衣装に着替えたものの、恥ずかしさで消えたかった・・
普通のサンタの衣装ならまだしも何故ミニスカなのでしょうか、私生まれて2〇年こんなミニ着たことないです。
大方のプレゼントは配り終えているので後はリーリオの所だけ、それは良いけどねそれは、でも何で私までサンタの姿に?
聞いても答えてはくれず、結局リーリオの枕元にプレゼントを置き、私の宮に戻ってきた。
リーリオの枕元には私の作ったアロマポットが置いてあってちょっと(かなり)嬉しかったのは内緒だけど。
まあ、リーリオの寝顔にまた女子力で負けている?と思いたくなったのは記憶から消しておきたい。
そんな事を思いながら、ミリアの淹れてくれた紅茶を飲みながら、休憩していると着替えてきたクルスさん達が戻ってきた。
さすがにあの仮装のままではまずいので着替えてもらった、もちろん私も
さっきと同様に衣装を着てのプレゼント配りについて質問すると、楽しげに笑いながらクルスさんは説明してくれた。
昔から、サンタ役とトナカイ役を決め衣装を着たうえでプレゼントを配っていた、さすがに王家の人に関しては信頼できる人がやっていたが、最近ではクジで役柄を決めていたそうで、今回はサンタにクルスさんトナカイにサフィロさん、そしてついでに巻き込まれたのが私だったらしい。
クルスさんは私やミリアにもプレゼントを渡し、私も急ごしらえで申し訳なかったがプレゼントのお菓子を二人に渡した。
まさか、その時は朝から大変な思いをするとは全く思わずにそれぞれ帰って行き、蛍も寝室に飛び込んだのだった。