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後宮での生活 16

毎回遅くなって申し訳ないです。

「まず、行儀見習いの募集には制限を設けます、一つ目は15歳以上20歳以下である事 二つ目は現時点で未婚である事です、この二つを条件として募集をかけようと思います」


蛍 の話を黙って聞いている王と王妃の表情は、実に楽しげな様子で、完全に息子で遊んでいるようにもとれた。

 そんな両親の様子にリーリオは苦虫をつぶした様な表情を浮かべながら話を聞いていた。


「次に、行儀見習いの令嬢達の中には数人、宰相閣下の妹さんを含め、数人がカモフラージュ要員として混ざって頂く予定です。王子の花嫁候補になり得そうな令嬢が居た場合、カモフラージュ要員の方と一緒に王宮で行儀見習いをしていただく予定になっています、ですが現時点では全て予定の段階になりますので、随時変更もあり得ます」


「そこまで話が進んでいるのは安心ね、早速期日を決めて私の発案と言うことにして募集を始めましょう、陛下もリーリオも異存はございませんか? 」


 王妃様の言葉に二人は静かに頷き、そのままお茶会と言うなの話し合い? が終わった。

 茶会が終わり、部屋に戻る道中、リーリオはぐったりした表情で、蛍に支えられながら歩いていた。


「大丈夫?もう少しで部屋に着くから、頑張って」


 蛍はそんなリーリオに声をかけながら、廊下を歩いていると、拙い事に別の通路から元花嫁候補の令嬢が侍女と一緒に歩いていた。

 名前までは分からないけど、茶会に居たはず……多分


 名前を思い出そうと必死になっている間、相手はどんどんこちらに近づいてきしまい、結局名前を思い出す事も出来ずに声をかけた。


「ああ、奇遇だな」

「ごきげん「ごきげんよう、殿下、お会いできて光栄ですわ」


 満面の笑みで話しかける令嬢は頬を染め、嬉しさで一杯の様子だったが、側に居た侍女の表情は真っ青をだった。

 それもそのはず、この令嬢は私を綺麗に無視しているからだったりする、一緒にいる侍女はたしか王宮に使える侍女の一人。

 この令嬢の行為が不敬罪に当たる事に気づいている、でも王子と話している最中に声もかけれないし、何より仕える人に意見は出来ない。

 令嬢はわざと私を無視しているのは確か、だって私が声をかけた瞬間に遮っているもの。

 甘ったれた声で話しかけている令嬢に王子は少し青ざめながら相槌を打っていたが、内心はこの令嬢の行為をよくは思ってないのは、見ていてわかった。

(気づいていないのは令嬢本人だけ……)


「ここで、殿下にお会い出来るなんて、ミリーは幸せですわ~」


 相も変わらず話し続ける令嬢ミリーの様子に、どうしたものかと内心ため息を吐きながら、リーリオを支えていた。

 このままではさすがにまずい、一緒に居る侍女が憐れだしね。


「殿下、そろそろ参りませんと、宰相閣下がお待ちですわ」


 そう言いながら、軽く会釈をしてその場を立ち去ろうとした瞬間、金切声で呼び止められ、振り返ると私を無視した令嬢がヒステリックに叫びながら喚いていた。


「わたくしは殿下とお話しているのに、何故邪魔をするの、わたくしを誰だと思ってるのかしら」


 さすがにまずいと思ったのか、侍女が止めようとしても聞き入れずに、さらにくってかかてきた令嬢にリーリオは嫌悪したような表情を浮かべ、止めに入ろうとするのを遮り、未だ此方を睨み据えている令嬢の前に出た。


「いい加減になさい、先ほどから黙って聞いていれば……恥ずかしくないのですか? ご自分のなされている事が、ここは後宮、貴女は今や花嫁候補ではなく、行儀見習いで滞在しているのですよ。それなのに次期正妃である私に挨拶もしないうえに、あまつさえ殿下の前で暴言を吐くなど持ってのほかです、これ以上、貴女をここに滞在しておくのは到底無理な話、明日にでも後宮から出ていきなさい、よろしいですね」


 蛍の言葉に、蒼白になりながらも以前、睨み据えてくる令嬢の様子に半ばあきれていたが、そんな様子に気づくことはなかった。


「何で、貴女にそんな事言われないといけないの、私はまだ認めてないわ、貴女が正妃だなんて」


 いやいや、何で貴女が認めるとかになるの、後には引けないって感じなのは分かるけど、そこまで一途に思うのは可愛いけど、度が過ぎると行けない。


「私は、次期正妃として王妃様から後宮の事を一任されています、私を認めるのは貴女ではありません、国です」


 そう言い放つと、そのままリーリオを連れてその場を後にした……

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