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後宮での生活 15

遅くなってしまったうえ、今回は少し短めですが読んで頂けたら

 気が付いたら、朝でした……慣れない体勢で寝たからかな、首が痛い……

それにしても、リーリオの慌てようは凄かったな……それに比べて自分の女子力の低さが悲しい……精進しないと駄目かも


 そんな決意を心の中でしつつ、蛍はいまだ慣れないコルセットと戦っていた。

 今日は、元々王妃様に会いに行く予定だったが、リーリオと二人で一緒に挨拶に行っていない事を思い出し、急遽二人で行くことになったまでは、良かったのだが……

 二人一緒の姿を周りに示す意味もあってか、いつも以上にミリア達は張り切り、お化粧や衣装もすべてリーリオの衣装に合わせ、支度が終わったのは二時間後だった。


「魔王に会いに行く前に、体力を全部吸い取られた勇者のようですね……」


 心持げっそりとした表情を浮かべながら並んで立っている二人に、フィアは独り言のようにつぶやいたが、二人は休憩している時間もなく、そのまま部屋を後にした。


(さすがにこう毎回だと、慣れるもんなんだね、人間って……嫌な慣れだけど)


 王妃様が待っている天宮の庭園に向かう最中、嫌な視線を多く感じる中で、以前よりも慣れてきた自分に内心落ち込みながら歩いて居る途中、リーリオは幾分緊張した面持ちで立ち止まり、蛍の方を向いた。


「大丈夫か、セラ? 緊張しているよう見えるが」


「ありがとう、大丈夫よ、それに、リオと一緒だから緊張も和らぐわ」


 微笑みあう姿は互いを思いあう恋人に見えていると思う(じゃないと困るのが本音だけど)

 正直、恥ずかしいの一言に尽きる……ヘタすぎてお芝居ってバレなければ良いけど……


 そんな事を考えながら、庭園に入ると、中心から少し離れた場所にテーブルが用意され、王妃様と女官長の二人を待っていた、何故か王と一緒に。

 いきなりの王の出現に表情に出さないようにしていた蛍もさすがに、緊張で顔をこわばらせたまま、慌てて跪いた。


「失礼いたします、遅くなってまことに申し訳ありません」


慌てた様子の蛍に王は楽しげな表情で笑い出した。


「いやいや、気にしないでよい、ここには王としてではなく、息子の父として来ているのだからな」


「ええ、そうですよ、蛍ちゃん。 今は王妃と王ではなくリーリオの父と母としているのだから気にしないでね」


 いえ、その方がもっと気にします~と叫びたいのをぐっとこらえながら、四人でのお茶会が始まった。

 緊張はするものの、お茶会は思って居た以上に楽しいものとなっていた。他愛もない会話にリーリオの小さい頃の話など、話も尽きる事はなく、笑いも絶えなかった。

 リーリオは始終、顔を真っ赤にしていたけど……

 表向き、周りに向けてのアピールも兼ねての挨拶だったが、王の出現により一層真実味が増したと思えた。


(早く諦めてくれたら、私も楽なんだけどな……そうだ、すっかり忘れてたけど、ちょうど王様もいるし一緒に聞いてもらうべきかな)


「お話の途中でも申し訳ありません、お二人にご相談がございます」


「ああ、話してみてくれ、まずはそれからだ」


 その言葉に頭を下げると、真面目な表情を浮かべながら話始めた。


「先日、殿下、私、宰相殿とお話しする機会がございまして、その時、宰相殿のご親族のご令嬢を行儀見習いで迎えたいとお話があり、そのお話を伺って思いついたのですが、これから婚姻を迎える方、今後縁組をとお考えの方々のご令嬢を後宮でお預かりして、後宮主催での行儀見習いを行えたらと」


 事前には王妃様にも王様にも話は通してあるけど、いざ話す時は緊張する……噛まなずにすんで良かった。


「ほう、それは面白い話だな、私は異存はないが、王妃はどう考える?」


「ええ、私も賛成です、縁組をする際にも良いきっかっけにもなりますでしょうし」


二人の言葉に安堵の笑みを浮かべる、蛍は早速詳しい話を始めた。

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