【NASAに潜入しました】
俺はNASAへの潜入に成功した。
NASAとはアメリカに設置されている世界最大級の国家機密基地である。
警察も入ることは許されていない場所である。入ろうとすれば簡単に射殺されてしまう場所である。
選ばれた人間にしか入ることは許されていない場所である。
そんな場所に俺は潜入することが出来たのだ。
そのNASAの裏口の金網が少し破れかけていたので「まさか」とは思いつつも少し強引に引っ張ってみるとアッサリと破ることが出来たので自分でもビビりながら入ってくる事が出来た。
よかった。よかった。
これでこそ「入れるかなー」と、思い、わざわざ日本から来た甲斐があったというものである。
まさか、本当に入れるとは思わなかったが、入れたので良かったに越したことはなく、よかった、よかった、である。
廊下の途中、明らかに宇宙人と遭遇した。
もちろん、内心は驚いたが、瞬時に驚いてはいけないと判断し、いつもの感じで手を振ると、いつもの感じで手を振り返してくれた。そして、そのまま、通り過ぎ、緑の扉から更に奥へと進んで行った。
よかった。よかった。
ホッとした。「いつもの感じ作戦」大成功である。
俺は赤いドアからさらに奥へと進んだ。
そこで見たものにビックリした。
なんと、まさかの、ユー・エフ・オー・が浮いていたのだから。
いきなり宇宙人とすれ違い、ユー・エフ・オー・を目撃してしまえるとは、流石はNASAである。
レベルが高い!!
しかし、そんなことで驚いてはいけない!!
今、ユー・エフ・オー・の浮いているこの部屋には沢山の人間がいるし、人間じゃない奴もいるではないか!!
改めてレベルが高い!!
しかし、油断してはならない!!
俺が侵入者だと分かれば、拷問……なんてもん、されることなく、多分、アッサリ、殺されてしまうだろう。
こんなニートにNASAが欲しいような情報は1つも無いので、多分、アッサリと殺されてしまう様には思っている。
仮にバレそうになった場合い、「俺はCIAからの送り込みだ……」といった立ち振舞いによって、どーにか生きる活路を見出だしたいとは考えている。
見出だしたいとは考えているが、やはり、結局、色んな要素からニート感が滲み出てしまい、バレてしまうのは時間の問題でしかないとも思っている。
そうなりゃ、結局、殺される。無論、そうなってはならない。従って、バレてはならない。
だから、俺は、今、この部屋にいるみんなの様に、ユー・エフ・オー・の浮き具合に対する、最終確認調査をしています的な顔付きをしているのである。
態度が大事なのだ。
俺だけ服装が全然違うので一見バレそうではあるが、ここは、敢えて、逆に、エライからこそ服装が違うといった様な立ち振る舞いによって乗り切れてはいる。
ここで、ヘタにヨソヨソしくしてしまえば、「あれ?こいつ?NASAとカンケーねーヤツじゃねー?」みたいになってしまうが、これだけ堂々としているからこそ、「あれ?俺は知らないけど、専務の息子さんかな?」的な迷いが全体に行き渡り、成立しているわけであって、その証拠に、周りの宇宙人達も俺に軽く気を使い、会釈をしたりしている。
しかし、ここで、簡単に愛想良くしてしまってはならない。
愛想を良くしてしまうと気さくなヤツだと思われ、話しかけられ、会話をするハメとなり、嘘がバレてしい、結局は殺されてしまうので、ある程度のツッケン態度は押し通さなくてはならないのである。
少し不機嫌そうに、ユー・エフ・オー・の浮き具合を睨みつける。
「全然浮き具合が足りませんなー」といった様な顔立ちでブツブツと数字をいってみたりする。
ナイス演出である。
高校の時に演劇クラブに所属していて良かった。
よかった。よかった。
神様ありがとう。
俺がそんなことを考えていると、突然、NASA内に大きなサイレンが鳴り響いた。
〔ファーーーオン!〕
〔ファーーーオン!〕
〔シンニュウシャ!〕
〔シンニュウシャ!〕
俺は焦った。泣きそうだった。しかし、男の子なので涙は流さないと心に決めていた。
ドサーーーーと、スペシャル警備隊の様な男達がグルッと俺を取り囲んだ。
俺は険しい表情をした。もう、心は、パニックだった。
俺を取り囲むスペシャル警備隊の1人が言った。
「確保しました」
俺はちょードキドキしていた。警備隊は俺の前に変な親父を突き出した。
変なオヤジは泣きそうな顔で言った。
「ちょっと!待って!聞いてくれ!俺は何もしちゃいねーんだ!」
変なオヤジは慌てふためいている。
「こいつです」
(?)
俺の心はクエスチョンマークだった。意味が分からなかった。
意味は分からなかったが、分からないというのが分かられてはいけない様な気はしたので、とりあえずは、同調会話で濁す事にしてみた。
「……よし。そいつか……」
「はい。コイツです。裏の金網が破れていましたので警報器が作動したとのことです。コイツが破って侵入して来たのでしょう」
ナイス説明である。ひとセリフで全部してくれたので非常に有り難かった。
俺は理解した。
理解はしたがオヤジを救ってやる事は出来ないとも同時に理解した。
だって、俺は、なんか、NASAの、ケッコー、なんか、エライ奴なんだから……。だから救ってやる事は出来ない。
出来ないわけだが、変なオヤジは俺にしがみつく様にして言って来た。
「まて!まて!待って!待ってくれ!少し話を聞いてくれ!たしかに俺は裏の金網から入って来た!入っては来たが俺が破いたわけではないんだ!初めから破れていたんだ!」と、言い終わるか終わらないかのところで俺は変なオヤジの顔面を殴り飛ばした。
変なオヤジはうずくまった。俺はボソっと言った。
「スパイの戯言など聞きたくもないわ。連れてゆけ!」
「イエッサー!」
そいつは何処かへと連れて行かれた。
俺はダレなんだ?
スペシャル警備隊のリーダー格が言った。
「一応、裏口の監視カメラの映像も見てみますか?」
俺はドキっとした。
俺が映ってそうだと思ったからだ。
ドキッとはしたがドキッとはしていないフリをして、ゆっくりと言った。
「そんな必要はない。スパイはスパイだ」
「しかし、奴が言うには、金網は初めから破れていたとのことなので、もし、仮に、それが本当ならば、先に他の侵入者が入った可能性もあるかもしれませんので、いちお……」と押しまくっていた。すっごく、イヤだった。
しかし、下手にこんな部分で反発し、怪しまれてしまえば今度はこちらがバレてしまうかもしれない。
そうなってはならない。
「では、みてみよう」
俺は仕方なくソイツとモニタールーム的な場所へと向かう事にした。
幸い、これまでのところ、俺の見事な立ち振る舞いによって、専務の息子的な存在だとは思れている。
しかし、もう、そう、長くは続かない。なにより、モニターを見れば一発でバレてしまう。
そこには俺が映っているのだから。俺が金網を破っているのだから。そして、その後、破れた金網から変なオヤジが入って来るのだから。
ダメだ!モニタールームに到着するわけにはいかない!チャンスはいましかない!
モニタールームへ、着く途中、「ちょっと、すまない……」そう言って、トイレに向かうと見せかけて、裏口ドアから金網潜って、NASAの外へと出たとこで、タクシー通り、手を上げて、それに乗って、アメリカ空港、到着しました。
料金は12ドル5セントだった。今は円高なので、そんなに悪くないと思った。
マイヤミ、ロサンゼルス経由で日本へと帰って来た。
それから温泉に行き、ゆっくりと浸かった。
刺身を食べた。
ワサビが利いていた。
やっぱり、日本が1番である。次はエリア51に行ってみたいと少しだけ思った。
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