1. どこにいるの?
びーえるです。しにたがりです。
流血表現もときどきあります。
地雷の方はブラウザバックをお願いします。
「なんでよ、なんで?」
大切な、大好きな仲間がいた。
毎日一緒にいて、ずっと隣にいて、たくさん笑った。辛いことがあっても、居てくれるだけで乗り越えられて、2人でいれば最強だった。
そう、2人でいれば。
ひと月前、あいつは突然姿を消した。もちろんたくさん探して、心当たりのある場所はすべて見た。それでもあいつはどこにもいなかった。
どこにいったの?どこに、どこに!
隣にいて欲しい人がいない。毎日一緒にいた人がいない。それだけで心はすり減って、1週間が経つ頃にはぼろぼろにやつれていた。
組織の人間に聞いても、知らぬ存ぜぬでとくに情報は得られなかった。
そんなある日に聞いてしまった。上司達の会話を。
曰く、あいつは組織にとって厄介な存在で、もう要らなくなったから捨てた、と。
あいつとおれは特殊な能力を持っている。特に、あいつの能力は組織のなかでも、強い方で、人の心にも作用する強大な力。
あいつは悪用する気はなかったし、組織のやつらには向かうつもりもなかった。
それなのに、上司達にとっては、機嫌を損ねてはならない面倒な存在で、のちに脅威となる可能性がある危険分子だった。
だから消した。そんな言葉が聞こえた。
まるでなんてことないように、軽い世間話のようにあいつを捨てたと、のたまう。
殺意が湧いた。
おれには今、彼奴らに刃向かえる力がある。だけど、いま刃向かえば確実に、首についた制御装置によってすぐに処理される。
消されないためにも、今は我慢しなければ、抑えなければいけない。
今消されるのはだめだ。あいつが、あいつが報われない。でも、時間をかけたとして、おれには何ができる?
ああ、あいつに会いたい。