レクスへの報告
翌日、学校終わりの王城にて。
「やっぱり行くことにするよ」
レクスに決めたことを伝える。
「本当に行くのか?危険なんだぞ?………………いや、悪い。私情をはさまないようにしていたんだがな」
そういえば王様からの依頼だったっけ。
「スタールも行くということで良いんだな?」
「はい」
「本当に良いのか?」
今度はこっちに訊いてきた。
レクスとしては僕がマイを連れて行くことを拒むと思っていたのだろう。
「ああ」
「はぁ、まあそうなるか。無茶して死ぬなよ」
冗談ではなく本気の言葉だった。
「分かってるって」
安心してもらえるように軽い言葉で返す。
「それと……」
そこで一旦きってからレクスが続ける。
「出来るだけ死神の目を使うなよ。殺意の増長が無くなっているとはいえ殺人への躊躇が無くなるらしいからな」
そう言われてもな……………
「あれ自分で操作できたことないんだけど」
「私の勘だが近いうちに使いこなせるようになると思うぞ」
それは直感というより占いじゃないか?
この世界に占いがあるか分からなかったため心の中でだけツッコんでおいた。
「まあ、できる限りやってみるよ」
「ところでお前らはいつ結婚するんだ?」
「ッ!?、ゴホッ、ゴホッ」
唐突な問いにむせてしまった。
「何で今そんな話を?」
マイも急な質問の意図を掴めてないらしい。
「ローゼに聞いた話ではカイ待ちということだったのでな。本人に訊けば早いと思ってな。それに……………」
「それに、何だよ?」
「気になるならいつ結婚するのか言え」
それはズルくない?
まあ、正直に答えるか。
「早くても学校を卒業してからかな」
「フゥ~」
レクスがホッとしたように息をはいた。
え?何があったの?
「それで何を言おうとしてたんだよ?」
「ああ、それはな……………死亡フラグを立ててないか気になっただけだ。もしこの戦争が終わったらと言っていたらひっぱたいて時期を変えさせるつもりだった」
この世界にも死亡フラグとかあるのね。
「……………2年後」
ポツリとマイが呟く。
どうしたのか訊いてみると初めて明確に時期を聞けて嬉しかったそうだ。
……………あれ?話してなかったっけ?
まあ、まだ2年あるから早く伝えた方だと思う。
ここで言っていなかったら多分結婚間際まで言わなかったかもしれない。
結果オーライということにしておこう。
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