恥ずかしい事実
他の役はすぐに決まっていきその日は解散ということになった。
ちなみに魔法祭の準備中はクラブ活動はなく、その時間に魔法祭の準備をすることになっている。
帰宅途中レクスに文句を言いたいところだったが誰に見られているか分からない街なかで言うことは出来なかった。
帰宅後。
夕食を食べていると
「私、メインヒロインなんて務まるのかな?」
「大丈夫だよ」
「なんで言い切れるの?」
「……可愛いから」
何言ってんだ僕!
「……もう!」
マイは一瞬で頬を赤らめ顔を背ける。
こんなやり取りが出来るって幸せだな。
ってなんで他人事みたいに……………そうか前世とは比べものにならないほど幸せだからか。
『ち…………そうじゃな……』
遠くから何か言われているような感覚に陥る。
「あれ?なんか言った?」
「え?何も言ってないよ」
マイではないみたいだ。
「なんか声聞こえなかった?」
「何も聞こえなかったよ。……………大丈夫?疲れてるんじゃない?」
「まあ、確かに今日は精神的に疲れたかも」
幻聴だったのかな?
それにしてもあの声何処かで聞いたことがあるような………
そんなことを考えながらも夕食を食べ終え、その日は早く寝るようにしたのだった。
翌日、授業を受けてからまた魔法祭の準備をすることになる。
今日はレクスが提案した話を元に構成を考えていく事になった。
………………………………………
「最後のシーン変えられません?」
「無理だ」
レクスに一言で拒否される。
「あ、そうですか」
「気にするな。いつも学校でそれに近いことをしてるじゃないか」
「してません!!」
「そうですよ。してません!」
僕の声にマイも賛同してくれる。
しかし、皆からは生暖かい視線が………
「そう思っているのはお前達だけのようだぞ」
レクスがとどめを刺してきたかと思うと
「そうだぜ。あんなにイチャイチャしといて自覚無かったのかよ」
「自覚無いのは流石に問題かと……」
ノインとレイまで加わってきた。
「そんなにイチャイチャしてたっけ?」
そう皆に聞いてみる。
正直思い当たることがない。
「お前は本当に自覚が無いのか?良いぞ。私が覚えているもの全て言ってやる。
1日に1回以上休み時間にハグをする。
移動教室などは全て一緒に移動。
昼食はいつも一緒に食べるのは良いとして人前であーんしあうのは………」
「わ、分かったからもうやめてください」
「何だ?他にもあるんだが……」
「もう十分です」
レクスが言った事全てやった記憶がある。
何故今まで恥ずかしいと思わなかったのかが自分でも不思議だ。
もう言い返すことが出来ず結局最後のシーンを変えることは出来なかった。
そんなに嫌な最後のシーンは何かって?
それは後々分かることだろう。
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