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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
旧帝国領編
302/304

292話

ベリアルとサテュロス、強さはベリアルに分がある。

それは、序列が上の世界に住む者の方が強者という絶対の理があるためだ。

しかし、サテュロスに勝ち目がないわけでもない。

序列が上の世界で戦うならば、圧倒的にベリアルになす術もなくやられるだろうが、ここは序列が一番下の世界。

この世界が耐えることの出来る力というのが上限となることで力量差は縮まる。

後はサテュロスがこの世界の上限の力にどれだけ近づくか、そして、技量があるかという話である。

その点に関しては彼が神に話した通り、この世界で最古参であるがためにクリアされていた。

彼の任務は生まれたときからこの世界の守護であった。

しかし、表で活躍するのが小さき天使であり、彼は更に重大なことが起きた時に動く隠し玉である。


その重大な事が起きる前兆を感じたサテュロスは精霊王となり、情報を集めた。

獣人の王になったのはついでである。

獣人は他の種族よりも危機に敏感だ。

その感じ方は獣人によって違うため、自分1人ではなく他の獣人の感覚というのも有益な情報の1つだった。

それが目当てではあったが、王としての役目を蔑ろにしていたわけではない。

むしろ他の目的のためになったとは思えないほど尽力していた。

それもまた守護者として当然の行為であった。

守護者自らがこの世界を乱すわけにはいかない。



サテュロスは今まさに百獣の王のような風格である。

まるで獲物を狙っているかのような縦に細い目をベリアルに向け、前傾姿勢になりいつでも動き出す事が出来る体制である。

ベリアルも舐めてかかってはいけない事を感じとり、構える。

先に動き出したのはサテュロス。

2足ではなく4足で影に潜み狙っていた獲物を狩る時のような速さでベリアルに襲いかかる。

ベリアルに向けて振りかぶったサテュロスの腕は当たる寸前で爪を出し、人であれば一度で死んでしまうような力を発揮する。

ベリアルはそれをなんともないように避けたが、内心では驚いていた。

サテュロスにこれほどまでの力があることは想定していなかった。

だからこそ余計に厄介に感じてしまう。

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