表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
旧帝国領編
298/304

288話

死神は少しずつ違和感を感じ始めていた。

まだ支障は全くないが、体の動きに違和感を覚え始めていた。

もしこれが、本当の自分の体であったら支障が出ていたかもしれない。

しかし、今の体は小さい。

そのためにベリアルからの攻撃は最小限の動作でこなせる。

更に、この体は上下にも動くことが可能だ。

その利点があるからこそ支障は全然なかった。


ただ、この違和感をどうにかしない事にはやがてこの体でも支障を感じ出す可能性が高い。

だからこそ、早くその原因を探りたい所ではあるが、心当たりは全くない。



ベリアルの動きは単調な殴る、蹴るの動作だけだ。

それはこの世界に自分の痕跡を残さないため。

単調な動作ではあるが、その威力は人の体で出せるものではない。

闇を司る大天使であるがために闇の深淵から力を取りだし自らの糧とする。

闇の天使は誰もが出来る技である。

このベリアルが大天使となれた1つの要因にこの技の効率が突出して高いというものがある。

つまり、より長い間高出力を出し続けられるということだ。


そのため持久戦に持ち込むというのもあまり褒められた戦術ではない。

そして、体の違和感もあるのだから余計に取るべき戦術ではない。

かといって決めてがないのも事実である。

あるにはあるが、この世界が終わるか、カイが死ぬ可能性が高くなる。


これは会ったことのない恩人への恩返しなのだ。

その恩人の教え子を殺したくはない。

どうしようもない板挟みな状態に時間は徐々に徐々に経っていった。



その頃、後方ではその様子を静かに、願うように見ていた。

精霊王はその傍ら、密かにとある準備をしていた。

最悪の展開を想像し、動いていた。

それは、神から託された世界を守るという使命。

それを果たすための最終手段。

自分が生まれた意味を示すための戦いに向けて着々と準備を整えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ