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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
旧帝国領編
287/304

277話

僕とリーセスで死神を挟み、両側から攻撃を繰り出す。


それを針の穴に糸を通すような繊細な鎌さばきにより防ぎ攻撃してくる。

2つ、もしくはレクスの魔法が加わった3つの攻撃も全てを一振でいなす。

そこに、プレッシャーと焦りを感じる。

体がソラのもう1つの体であるからかその技の節々にソラを感じる。

まるで本当にソラと戦っているようである。

もっとも訓練の時はこのようなプレッシャーは・・・・・・あったかもしれないが、焦りを感じることはなかった。

やはり、敵対しているかどうかというのが、その違いを産み出しているのだろう。


「調子悪いんとちゃうか?」

「そっちこそ」

死神の攻撃を避けるとその場にリーセスも攻撃を避けてきた。

こんな軽い調子で話しているが、調子が悪いというのは本当である。

なんとなく死神は名前こそTHE悪という感じだし、実際に人を何人も殺している。

その事実は変わらないが、死神も死神自信の正義を持っているように感じた。


そして、死神の言うやり残したこと。

僕には十分理解出来るものだし、死神の目を制御出来なかった時の僕なら確実に手段を選んでいないだろう。

もしくは野生の目で暴走して・・・・・・

そんな風に思ってしまい死神を完全に悪と断定して攻撃に徹することが出来ていないのである。

それは、リーセスも同じだろうし、皆も同じだろう。


この世界を守るという目的がなければ、無責任かもしれないが、見逃していたかもしれない。

それだけ死神の立場で考え共感してしまったのである。



「はぁ、はぁ」

長いこと均衡状態が続いていたが、それがついに傾き始める。

リーセスの限界が近づいていた。

幻惑魔法の身体強化を全開でかけ続け動き回っていた代償だろう。

想定よりも早くリーセスの限界が近づいていた。


限界なのは誰から見ても一目瞭然であるにも関わらず、リーセスは死神に攻撃を繰り出す。

その攻撃の瞬間、リーセスの体が揺れた。

それは、疲れからではなく、幻惑魔法であると気がついたのは死神にその一撃が届いたタイミングだった。

その攻撃と同時にリーセスは力なく倒れる。

それに反応し今すぐにでも死神の近くから離そうとレイが身を乗り出すのをマイが必死に止める。


レイの様子を見てリーセスを助けに行きたいところではあるが、そんな余裕はない。

だから、

「死神、僕と1対1で勝負しろ」

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