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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
旧帝国領編
283/304

273話

ひとしきり笑った小さき天使は、

「久しぶりだね、カイ」

と僕に話しかけた。

その声色、口調共にソラと完全に同じである。

「お前は誰だ!」


僕の考えではソラの何かが欠けてこちらにいるのだろうと思っていた。

しかし、どうやら違ったらしい。

目の前にいるのはソラとは完全に違う別の生物。

根本が違うように思えた。

「なに言ってるんだよ?まさか、僕の事忘れちゃった?」

「ソラじゃないことだけは分かる」

冷静であることを心がける。

でないと、相手の思う壺であることは理解していた。

「つれないなぁ。もう良いか。実を言うとこの体は使い心地が良いんだよ。

私には行かなければならない場所がある。そのついでにこの世界を壊そう。

何か異論はあるか?」

急に声が低くなり、1人称も私へと変わる。

「・・・・・・お前は・・・死神か?」

リーセスが何かに気がついたように呟く。

目の前にいる小さき天使に話しかけるというよりは自分で自分に問いかけているといった感じである。

「さすがに関わったことがあると分かるか。その通り、最も私は自分が神であると思ったことはないがな」

自分が死神であるという証拠を見せるかのように、僕やリーセスのよりもどす黒い死神の目を表す。

「何でこの世界を壊すんだ?」

何となく動機が気になった。

死神は自分が神ではないと言う。

それなのにこの世界を壊して行きたい場所があるという。

それもこの世界を壊さなくても行ける場所。


凄く矛盾している。

神であるなら他の世界に行くことが出来るかもしれない。

僕が転生してこの世界に来たことから他にも世界があると考えるのが普通だ。

ただ、神ではないと言うのでそれは違うだろう。

生身で他の世界に行く、なんて魔法を使っても無理だ。

それは一度移動魔法で地球に行けるか試した事があるから分かる。

結果はもちろん不可能であった。

可能であってもこの世界に残りはしただろうが、それはこの際どうでも良い。

魔法でも不可能というのが重要だ。


となると、この世界を壊した先に何かあるのかという考えになるわけだが、この世界を壊すのをついでのように言っていた点から違うだろう。

「私がこの世界を壊す理由か?ただの温情だ」

言っている意味が分からない。

僕たち全員誰もその意図が読めない。

「この世界は私が抜け出そうとすれば私以外に無に返されるからな」

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