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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
旧帝国領編
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256話

レクスが自室に戻ると、そこにはローゼがいた。


「遅い」

「悪いな」

「昨日帰ってきていたって聞いたけど」

「すまない、急いでいたんだ」

深く深く頭を下げるという王子らしからぬ姿にローゼはクスクスと笑う。

「あの、」

「あ、ごめん。こっち座って」

「怒ってたんじゃないのか?」

座って良いと言われたが、レクスはすぐに動かなかった。

「私はそんなに短気じゃないよ?だってほら、こうして待ってたでしょ」

「それは・・・そうだな」

「時間はあまりないんでしょ?早くこっちに座って」

再度ローゼに言われたことでレクスはローゼの隣に座った。



それからしばらく二人の時間が流れた。

そして、部屋の外からノックが聞こえた。

レクスが許可を出すとマイが入ってくる。

宣言通り時間を開けてここに来たのだ。

急に二人の時間を邪魔しないように部屋の前に移動してきたようである。

「久しぶりです」

「久しぶり、また相談に来たの?」

「今日は違います」

マイが恥ずかしそうにそう言うのは恋愛に詳しい?ローゼに色々相談に乗ってもらっていたのだ。

もちろん、恋愛方面で。


ローゼはそれを冗談も交えながら話すのが好きであるためマイが来たということは、と期待したのである。

「それは残念」

マイが今日は単純に話に来ただけだと告げると本当に残念そうにローゼが言う。

「まあ、この様子だと結婚はまだ先のようだからな。また、機会があるだろう」

レクスがフォローを入れるとローゼも「それもそうね」と言い、そこからはローゼとマイが主に話し、時々レクスが入るといった流れで進んでいったのだった。



その頃レイとリーセスは旧帝都を練り歩いていた。

旧帝都の城は壊滅的なダメージを受けていたが、帝都の城から離れた部分は全くと言って良いほど被害がなかった。


「次はどこに行きたいんや?」

「えっと、本屋かな」

「なら、こっちや」

リーセスは旧帝都の地図をそれなりに把握していたためリーセスがレイを案内するといった形で買い物を進めていた。



一方ノインとカリアはどっちとも旧帝都に詳しくないため迷子にならないようにブラブラと探索していた。

最悪の場合移動魔法を使えば良いが、あまり外では使わないように言われているため出来るだけ避けたかった。


そのためかさほど集合場所から離れていない所にずっといた。

見慣れない景色にキョロキョロしっぱなしだったノインの視界の隅にちょうど集合場所の近くに帰ってきたカイの姿がうつった。

そして、ちょうど目があったのだが、手を大きく動かして恐らく頑張れよと言っているのが分かる。

もちろん声などは出していなかったが、何となくそんな気がした。

カイ以外にはまだ、集まっていないようなのでもう少し二人での買い物を楽しもうと決めたのだった。

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