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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
旧帝国領編
258/304

251話

旧帝国領に入って初めての村を発見した。

そこは恐らく元は帝国ではなく違う国の領土であったのだろう、とレクスは言っていた。


元々帝国は帝都近くのみが領土でそれ以外は別の国だったので、端の方にあるこの村は別の国であった可能性が非常に高い。

言い切れないのは帝都がどちらかといえば近い場所にあるためだ。


その村に近づいていくとその異様さに気がついた。

その村から人の気配を全く感じないのだ。

かといって建物等は綺麗にあるためもしかするとその中にいるのかもしれないが外に一人もいないのはおかしいだろう。


「ここは、もしかするとあの事件が起こった場所かもしれないな」

レクスは暗い顔でそう告げる。

「どうする?ここは一旦素通りして旧帝都に行く?」

僕たちは今旧帝都を目指して進んでいる。

その道中に村や街があれば立ち寄る予定であった。

しかし、ここには例の事件が起きて人はいないだろう。

そんな不可解な事件が起きたところで新たに住む人もいないだろうし。

「いや、手がかりがあるかもしれない。一度立ち寄っておこう」

レクスはそう言いながら馬車から降りた。



そこから人のいない村を散策したが、手がかりは無いし死体もいなかった。

恐らく、既に亡くなった方の埋葬なども済ませているのだろう。

「少なくとも魔獣にやられたわけではなさそうだな」

レクスがそう言うが、

「それは報告からわかってたんじゃないの?」

「まあな、だが、自分の目で確かめた方が確実だろう?」

百聞は一見に如かず、ね。

確かにそうかもしれないけど、そういう上司って面倒くさいから苦手なんだよね・・・・・・

「なんだ?その顔は。別に兵士達からの報告を信じていなかった訳ではないぞ」

「いや、何でもない。それより、帝都に向かおう」

「旧、な」

「毎回『旧』をつけるの面倒くさくない?」

「帝国はこの世にあるべきものではなかったからな」

レクスはそう言いながら少し暗い顔をする。

「耳がいたいなぁ。操られていたとはいえ僕も帝国に協力してたもんやし」

そう言うリーセスの手をレイはそっと握る。

それに気づいたリーセスはレイと目を会わせ大丈夫やと言いながら続けた。

「でも、そもそもやけど旧帝都に行く必要あるんか?」

「確かに、こうやって手がかりを探していくなら旧帝都に行く必要はないよな」

リーセスの意見にノインが賛同する。

「意味はあるぞ?そもそもこちらの話や噂がこちらに伝わるのは遅くなる。

例の事件のことについてもまだ限られた場所でしか噂されていないだろう。

だから、最新の情報を得るために行く。それに、」

「実は僕も用事があったりするんだよ」

レクスに促されレクスの言葉の続きは僕が言った。

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