246話
「ん?」
どうやらベッドに入ってすぐに眠っていたようだ。
時間が経っている事を考えると、マイはもう学校に行っているだろう。
もしかしたら昨日少し疲れていたのも既に風邪の症状が出始めていたのかもしれない。
かといって訓練をサボっていたのは事実のため体調が直ったらまた訓練を再開しようと思っている。
・・・・・・・・・これ、結局やらないやつだ。
自分でそこに気づいてしまった。
何せ、前世の自分がこれを繰り返していたのだから気づかないはずはない。
面倒くさがりも多少は解消されていってると思ってたけど、それは結局ソラのお陰。
ソラがいなくなってからも毎日の訓練を続けていたのは楽しさを感じていたのと習慣になっていたからだ。
いくら楽しいゲームだって毎日何回もやっていると飽きてくる。
それと同じだ。
今ではもう味のない噛み尽くされたガムを噛んでいる感覚に近い。
それでも続けられていたのはそれが習慣となっていたから。
もう今はやっていないスマホゲームも習慣でログインしてログインボーナスをもらうような感じだ。
しかし、それが一度崩れてしまうと中々戻れないものだ。
こうなるとやらないゲームはアンインストールをいつするかという状態になる。
最近訓練の事自体忘れかけていたため脳内でほぼアンインストールしていた感じだった。
これからはマイにするように言ってもらおうかな。
でないと、またどこかのタイミングで、もしくはこのままアンインストールしてしまうだろう。
「ゴホッゴホッ」
喉が乾いたな。魔法で口の中に水を・・・・・・
いや、うがいもしたいし一旦部屋を出よう。
◆
「え?何でいるの?」
部屋を出て洗面所(排水を捨てる場所)に向かう途中にマイと出会った。
「だって心配だし」
「学校への連絡は?」
「レクス様に任せたから大丈夫」
何か、レクスの扱いも変わってきてるな。
初めの時はあんなにガチガチに緊張してたのに。
「それより寝てなくて大丈夫?」
「うん、ちょっとうがいしたくて」
「そっか。お昼ごはんは何が良い?やっぱり食べやすいもの?」
「いや、いつも通りで良いよ」
「具体的には?」
「ハンバーグ」
「やっぱり?そういうと思って先に準備してたんだ」
さすがというかなんというか。
まあ、これが出来たのは僕がハンバーグ以外を言ったとしても準備していたものはインベントリに入れることが出来るため無駄にはならない。
そういえば、インベントリの中には大量の料理が貯蔵されているが、毎日の食べる料理はその前に作って食べている。
それはマイが作りたてを提供したいと言ったからだ。
飲食店で育ったためそういう意識があるのかもしれない。
インベントリの中でも入れたときの温度が維持されるため温かいものが食べたいというわけではない。
ただ、それを出来るだけ手伝う事で新たに会話がうまれるため僕としてもありがたい。