234話
僕が自主的に休もうと思っていたが、それは思っていた以上に動くことが出来ないものとなった。
というのも少し動こうとする度にマイが代わりに動くのだ。
少し位は動いても問題ないと思うのだが、眠ってた期間が期間なだけにマイがそれを許してくれなかった。
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そして、看病を受けている者はもう一人いる。
リーセスは帰りの時こそ意識を保っていたが家に帰るとすぐにベッドに倒れこむように眠った後熱を出したのだ。
ノインはその熱が発覚する前にカリアの家に行ってしまったため二人きりでレイが看病することになった。
「そこまでせんでもええで」
周りで色々してくれているレイにリーセスはそう言う。
「あの時は何も助けになれなかったから。だから、やらして」
「そこまで気にせんでも」
「・・・・・・余計だった?」
「そんなことない。すっごい助かってるで」
「それなら良かった」
結局そのままあれやこれやしてもらった。
◆
レクスは王城に帰ると、休む暇もなくたまっていた仕事をこなしていた。
「大丈夫?帰ってきてから休んでないよ」
「ああ、やはり今後のために色々対策をしておかないとな」
レクスが気にしているのは精霊王の魔族が動き出す兆候があるという話。
まだ王子のためそこまで大したことは出来ないが、その限られた出来ることをやっておこうと早速動き始めたのだ。
「無理はしないようにね」
ローゼは少し寂しそうにそう言うと邪魔にならないようにそっと部屋を出ようとする。
「ちょっと待て、まだ時間はあるか?」
そんなローゼをレクスが止める。
「?あるよ」
「それなら少し手伝ってくれないか?」
これは、寂しそうなローゼを気遣うものだということは明白だった。
「私には気を遣わなくて良いよ?」
「・・・・・・それだけで頼んだわけじゃないぞ」
「え?」
「中々時間がとれないからな。こういうときに・・・一緒にいれたらな・・・と・・・・・・」
その最後は途切れ途切れになった答えにローゼは笑ってしまう。
「笑うとこではないぞ?」
「ごめん。つい・・・・・・ありがとう」
その後、二人で話ながら作業をしたのだった。