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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
229/304

225話

『つまらんな。全員で来て良いぞ』

その声は全員の脳内に響いた。

それの意味を理解した瞬間マイは走り出す。

「おい!」

レクスが呼び止めようとするが、止まる様子はない。

「追いかけるぞ」

一人で行かせるわけにもいかないため急いで全員で追いかける。


そこで目にした光景は衝撃的であった。

一面植物が生えている中一本の太い木。そこから血塗れの手の平のみが出ていた。

それを見て思わず立ちすくむマイと瞬時に状況を理解し動き出すサテュロス。

「時間を稼ぐぞ!」

レクスの声によりマイとそれより先に動き出していたサテュロス以外が反応し動き出す。

カイがいると思われる木とその側で未だに立ちすくんでいるマイ、その横でカイを救出するために動いているサテュロスを守るようにビルナーと対峙する。

「ようこそ。加護を持ちし人間とそれに着いていける者達よ。全員でかかってくると良い」

そこにあるのは大きな余裕。それは相手の不安を煽るほどのものであり、戦いなれていないエルフ達は立っているのがやっとの状態となる。

戦い慣れてないという面ではレクス、ノイン、レイも同じだがなんとかまだ動けるようだ。

そういう意味ではマイが対峙していたとしても彼らと同じ結果となっただろう。

この場面で普段通り動くことが出来るのはリーセスのみである。

彼は操られている間に様々な戦闘経験を積んでいる。体が戦闘に慣れているのだ。

彼の主の魔法は幻惑魔法だが、普通の攻撃魔法も常人程度には使えるようになっている。

牽制として氷の魔法をビルナーに撃ち込むとそれと同時に幻惑魔法の準備を始める。

「普通に動けるのか。やるな。だが、甘い」

その声と共にリーセスのたっている地面から植物が生え始める。

それに気づくというよりも体が危険を察知し寸前で避けた。

避けながら幻惑魔法をかけるがそれは効果を示さなかった。

「・・・・・・毒か。植物には毒を持つ植物もいる」

確かになと思うリーセスだが、そうなるとほとんど幻惑魔法が効かないということになる。

麻痺なども結局は毒のようなもので植物には食べると痺れるようなものも存在すると聞いたことがあった。

「こりゃあまた相性が悪いなぁ」

呑気そうな発言をしているがその表情に余裕はない。


突然レクスが横に飛ぶ。すると元々レクスが立っていた場所に植物が生えた。

「なるほど、勘の加護か」

ビルナーは加護とは言ってもどのような加護なのかは知らなかったようだ。

それを測るための不意の一撃だったのかもしれない。

その時後ろからバタンという音が聞こえた。

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