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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
227/304

223話

あれからしばらく歩いていくと階段が途中で途切れた。

そうなることはあらかじめ聞いていたためその先の道を土魔法で作る。

作ってみて分かったが地下の空洞は人が縦に二人入れる程度の高さがあるようだ。

自由に動けそうなのは助かる点だ。

空気が薄くなっている気配はないためそこを心配する必要はないだろう。



自分が増設した階段はすぐに終わり地下の空洞に出てきた。

上下左右全て土のため強度が少し不安ではある。そう思い土魔法で壁の強度をあげることにした。

そんなことをしている間に後ろについて来ていた全員がこの地下の空洞に降りてきたようだ。

「皆準備は良い?」

サテュロスさんがそう確かめると、皆それぞれ頷く。

「それじゃあ進もうか」



「な!」

一番に驚きの声を挙げたのはサテュロスさんであった。

「どうしたんですか?」

「これは分が悪すぎる。一旦引き返そう」

『そんなことを許すと思うか?』

脳内に声が響く。周りを見渡すが近くの誰かが言ったわけではなさそうだ。

「状況を教えてもらえるか」

「時間が無さそうだから簡潔に伝えるよ。相手から僕以外の精霊王の力を感じる。多分だけど僕の力が流れ込んでいたのは先代の精霊王の遺体だったようだ。一回死んでるだけあって人格がねじ曲がってそうだから本当に危険」

『久しぶりに会ったと思ったら私に対してその物言い。偉くなったものだな?』

「初めは獣人の力も持ち合わせている僕を訝しげに見てたやつが良く言うよ」

サテュロスさんと先代の精霊王はあまり中が良くなかったのかな?

『まあ、良い。そこの野生の目を秘めている少年よ。相手をしてやろう。そのまま一人で進んでくると良い』

まさか、相手から指名がかかるとは・・・・・・

「行ってくる」

「そのまま行ったら相手の思うつぼやで?」

「そうだね。だけど、僕と先代との相性は悪いんだよね。だから、結局野生の目の力は借りないといけないことにはなりそうなんだよね」

「先ほどから野生の目という単語が聞こえるが、その力は凄いのか?」

着いてきたエルフの一人がそう聞いてくる。

「そうだね。凄いよ。それこそ僕なんか足元にも及ばなくなるほどに・・・・・・ただ、制御出来ないと周りのものに見境なく襲いかかる、それこそ野生の獣のような存在になってしまう。だから、出来るだけ使わないでいてもらう方針だったんだけど・・・・・・・・・」

「大丈夫です。制御してみせます」

ここで覚悟をみせるという意味でも、自分の覚悟を決めるという意味だけでも声に出してそう言った。

隣にいるマイからそっと手を握られる。その手を一度握り返し視線を合わせた後、振り向いて進み出した。

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