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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
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222話

警戒を強めつつ御神木に近づいていく。

少しずつ御神木が大きく見えるようになっていくが、化物のような存在は見当たらない。

「杞憂だったってわけじゃあないんかな?」

リーセスの問いかけにサテュロスさんの顔は曇ったままだ。

「いや、これは99%化物がいるね」

「でも、どこに?」

「地下だよ」

地下、か・・・・・・

御神木の根から栄養を得ているって感じなのかな。

本来木に送られる栄養を奪っているようなものだから根からの方が効率が良いのかな?

「地下なんか。どうやって行くんや?」

確かに地下は地下で移動魔法で行くのは怖いな。

「それに関しては僕が何とかしよう。道を作るからその後はよろしく頼むよ」

そういうと早速魔力を集め始めた。

すると近くに小さな、本当に小さな木が生えた。

「引き抜くと道が出来るよ。皆準備は良い?」

それぞれが緊張した面持ちでうなずく。

「それじゃあ、引き抜くよ」

その声と共に獣人の方の姿になり、その木を一気に引き抜いた。

すると、階段上で下に下っていくような道が出来た。

なるほど植物を生やして階段を作ったのか。形を維持したまま引き抜けたのは柔らかい植物にでもしたのかな?魔法だからそこら辺は自由に出来るのかもしれない。

「途中から地面がなくなるから始めに行く人は土魔法で足場を作ってね」



それからその階段は僕が一番前で進んでいくことになった。

この中で一番魔法が得意だろうと判断されてそうなったのだが、精霊王の魔法に勝てるのかという面においては正直自信がない。

何せ、さっき魔法の応用で凄く長い階段を一瞬で作ったのだ。

土魔法でも良いではないかと思うかもしれないが、圧倒的に魔力が少なくて済む。


「本当に化物がいるのかな?」

一つ後ろのマイがそう問いかけてくる。

「いると考えていた方が良いよ」

「・・・・・・無理はしないでね」

「うん、約束するよ」

この約束は自分を戒めるためのものでもある。

以前は結局一か八かの魔法に賭けることになった。

今回はその一か八かの魔法の魔方陣も作っていない。

死ぬ直前にその魔法を自力で起動させるのは無理があるため本当に今回は保険がない。

以前のように死んでもワンチャンという考え方をしていたら本当に死んでしまう。

そして、前世と違いここには婚約者までいるのだ。

おいそれと死んで悲しませるわけにはいかない。

その逆もまた、避けなければならない。僕の精神的な問題もあるが、そんなことがあれば僕はあの目の力を制御しきれなくなり暴走してしまうだろう。

覚悟を決めながら長い長い階段を下っていくのだった。

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