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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
199/304

195話

移動を再開してまたしばらく経った。

「どれくらい休みがあるんですか?」

「今回は明日まで休みです」

「そうなんですか?てっきりもっと長く休まれるのかと思ってました」

「海底に行っていたといっても大体は待機でしたから」

本当にノインかと思ってしまう言動だが、今は気にしないようにしよう。

「海底はどんなところだったんですか?」


そこから海底の話をしながらゆっくりと移動をしていった。



しばらくして水が流れる音が聞こえ始める。

「あ、もうすぐですよ」

カリアの声にノインは表情を緩める。

相当な距離を歩いてきて体力的というよりも足が帰りまでもつかが心配だったのだ。

最悪の場合カリアにおんぶしてもらうことも出来るが、流石にそれは男としてなさけなさ過ぎる。

そう考え出来るだけ早く目的地に着くことを望んでいたのだ。


「ここです」

その声と同時に登り道だったのが平坦になる。

そこで見えたのは大きな滝であった。

ノインは初めての光景に言葉も出てこない。

「・・・・・・・・・これは?」

ようやく出た言葉がそれだった。

「滝です。珍しいですよね。人間の大陸にはないと聞きました。ここに来ると嫌なことも全て洗い流されてスッキリ出来るんです。多分疲れも流れていきますよ」

確証はないですけどと笑う彼女にノインも自然と笑顔になる。

「ありがとう御座います」

「あの、ミリアから聞いたんですけど普段はそんな口調じゃないんですよね?私にも普段通り接してくれませんか?」

「は・・・・・・うん」

「私も普段通りしゃべろっと」

カリアの急な口調の変化にノインは驚く。

「自分もしといて人のに驚くのはダメだよ?」

「・・・・・・ごめん」

「でもさ、私たちって似てるよね」

「え?」

「だってさ、周りにはカップルばかりなのに私たちにはいないし、初対面の人には皮を被っちゃう」

「たしかに」

ノインは短く同意する。

ノインに至っては初対面に女性という項目を追加しないと当てはまらないのだが、この際それはどうでも良かった。



それからしばらく水の音だけが響いていた。

「もうそろそろ帰える?暗くなったら帰りにくくなるし」

「う、うん・・・・・・・・・えっと、その明日、空いてる?」

「明日は仕事があるけど午後からなら大丈夫だよ」

「家に・・・・・・」

行かせて欲しいと言いたいノインであったが中々言い出せなかった。

「大歓迎だよ」

続きを予測したカリアが先に答えてくれたため、続きを言わずに済んだ。

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