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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
198/304

194話

「お邪魔します」

気まずさと共に家に入るノイン。

「来ていただいてありがとう御座います」

「ではごゆっくりです。私は帰るです」

ミリアは普段はここに住んでいるが今は同じ宿に泊まっているためその部屋に帰っていった。

「どう・・・したんですか?」

ノインはどう切り出すか迷いながらもそう口にする。

「え?あの子になんて言われましたか?」

「会わなくて良いのかってそれだけで」

それを聞いた途端ため息をはくカリア。

「ごめんなさい、多分あの子無理矢理連れてきましたよね。すみません」

「あ、いえ」

「本当は都合の良い日に来てもらうだけで良かったんですけど、今日で大丈夫ですか?」

「はい。用事もないので」

「ではついてきてください」



家を出てから森の中を進んでいく。そこに整備された道は当然なく体力は削られていく。


「あ、すみません。私のペースで歩いてしまって」

カリアが徐々に元気がなくなっていくノインに気づき話しかけながら速度を緩める。

「あの・・・・・・ちょっと休憩を・・・」

気付くのが遅かったようでノインは既に限界が近く休憩をすることになった。


丁度近くに腰を掛けるのに丁度良い高さに木が倒れていたためそこで休憩をすることにする。

「本当にすみません。普段はミリアと来るのでそのペースで進んでました。いつもは私が引っ張られるので・・・・・・気が回らなくてすみません」

「職場体験でとある商会に行ったときの方がせっせこ働かされましたから全然良いですよ」

カイ達が聞いたら声はノインだが、中身が違うのではないかと疑うだろう。

しかし、これは彼が初対面やそれに近しい女性と接するときに限っては正常だった。

実はマイに馴れるまでも時間がかかっている。初めはレクスからの狙うなよという忠告もあり、あまり話さないようにしていたためこの様子を見せなかった。

学校生活では男友達もしくはクラブのメンバーとしかいないため学校でも中々見せないものだ。

隠していたわけではないのだが、苦手意識を持ち避けていたのかもしれない。

「ノインさんって恋愛をしたいとか思わないんですか?」

唐突な質問だったが彼女には周りにカップルだらけという話をしていたためそこからの質問だろうと考えた。

「したいかしたくないかで言ったらやっぱりしたいですね」

「そうなんですね。実話私の周りもカップルだらけなんですよ。だから、羨ましくなって。同じ境遇の人がいて安心しました」

「・・・あの、そろそろ大丈夫ですよ」

「そうですか・・・次はちゃんとゆっくり行きますから」

「お願いします」

その時、二人が一緒にいる中で初めてノインの表情が和らいだのだった。

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