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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
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鬼ごっこ 6

始まりは唐突であった。

走り回っているとマイを見つける。

あちらを向いてしゃがんでいるため気になり足を止め遠くから声をかける。

「どうしたの?」

その問いかけの答えはせーのという掛け声だった。

その瞬間辺りからガサゴソという音が聞こえ始める。

はめられたということはすぐに理解できた。

マイが立ち止まっていたことから僕が動き回る作戦をとることは分かっていたのだろう。

周りを全員に囲まれたことを考えると、これさえ潜り抜けたら勝ちということになる。

移動魔法は使わない。使ったらそれこそより一層ヘイトを集めることとなる。

そのため走り回る際に使っていた魔法の応用を使うことにする。

今まで以上に強い風で体を浮かせるのと同時に適当な方向へジャンプする。

体を浮かせるほどの風を起こしても周りの人が吹き飛ばされなかったのはこれが魔法によるものだからだろう。

結果上を飛び越えたため捕まることもなくそのまま走って逃げた。

そこから先は危ないと思う場面はなく時々会う鬼をかわしながら走り回り感覚的に後少し位で制限時間だ。

体力的な意味では風の補助も大きかったのかそこまで疲れていない。

最後まで走り抜こうとしたときそれは起こった。

はっきり言って油断していた。

その油断がなかったとしてもこれは流石に避けられなかっただろう。

急に目の前に現れたマイの姿にこのままではぶつかり倒れてしまうことを瞬時に察しマイを抱き締める形で持ち魔法の風で体を制御し何とか無事に着陸する。

「タッチ」

その事に安堵している隙に手を背中に回されタッチされる。

流石にこれは予想してなかった。

確かにこの不完全な移動魔法であれば使ったのを見られても問題ないし、マイが捕まえたというのは初めの作戦により説得力が増している。

これはレクスの作戦だな。そう思い聞いてみると、

「初めのはそうだけどこれは私が考えたんだ」

捕まえられたことが嬉しかったのか上機嫌であることがわかる。

「マイって卑怯な手を使うんだね」

正直予想外であった。だからといって彼女への気持ちが変わることはないが。

「カイ君のあの走りも結構反則に近いと思うよ?誰も追い付けなかったし」

確かにと思ってしまう。

今回はマイに完全に負けた形となった。

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