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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
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鬼ごっこ 3

マイはカイとわかれた後適当に歩きながら時間を過ごしていた。

隠れる場所をとも思ったが森の中ということで周りには木しかなく全身を隠せるものは何もなかった。

しかし、木で視界が悪いため途中で隠れるのは諦めていた。

そのため周りに気を付けつつ歩き回っていた。

そのためかすぐに鬼に見つかってしまう。

「こっちはイチャイチャしてないわね」

猫人族のイネールは先程リーセスとレイを見逃してきたため少し不機嫌だった。

マイにとってはとばっちりだったがイネールは本気で追いかけ始める。

幸いマイは気づいた瞬間に逃げ始めていたためすぐに捕まることはなかった。

しかし、距離は縮まる一方。

そこで、魔法を使おうとそちらに意識を向けたとき突然つまずいてしまう。

それはイネールが魔法を使い地面に窪みを作ったのが原因だった。

それを理解しきる前に転ける衝撃に備える。

しかし、その衝撃が来るよりも前に抱えられる感触に襲われる。

その後、すぐに風を切る感覚を覚える。

衝撃に備え閉じていた目を開けるとそこにはカイの顔があった。

しかし、それよりも気になるのが背景の移り変わりの早さだ。

すごいスピードで木々の間を通りすぎていく。



しばらく進んだ後、

「ここまで来れば大丈夫でしょ。大丈夫?」

マイは乗り物酔いをしており、若干顔色が悪かった。

「だ、大丈夫。ありがとう」

なんとか答え深呼吸をする。

それから落ち着くまでの間二人は共にいた。


「近くにいたの?」

落ち着いた後マイがカイに尋ねる。

「いや、走り回ってただけ」

「え?」

予想外の答えにマイは固まる。

「なんか楽しくなっちゃって」

そう笑うカイにどう反応すれば良いのかわからないマイ。

結局苦笑いで乗りきりもう一つの気になることを聞く。

「どうやって走ってるの?」

そう、あまりに早かった。それこそ彼が野生の目を発動したときと同等位には。

水中と地上という違いはあるが、以上であることには変わりない。

「踏み切る瞬間に足裏から風を噴射してるだけだよ?」

事も無げにそう告げるカイにさすがだなと思いつつ、

「助けてくれて、ありがとう」

そう言いながら抱きつく。

嗅ぎなれた匂いに安心しつつその状態をキープする。


「な、長くない?」

しばらくたった後先に動いたのはカイだった。

「そう?じゃあ、また終わってからね」

そして、走りカイを置いていった。



少し前まで彼らを見ている視線があった。

追い付いてきたイネールである。

「こっちも・・・・・・」

イライラしながら次の目標を探しに行くのだった。

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