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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
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鬼ごっこ 2

まずは、体力勝負をすべく走る。体の大きさ的に小さい相手の方が不利である。

やはり一歩の大きさの違いというのは後々響いてくるものだ。

その考えが間違いであったことはしばらく走ることでわかった。

獣人はそもそも身体能力が高いのだ。

そのために走っても走っても距離を離すことが出来ず、体力だけが削れていく。

ソラとの訓練で体力は相当ついているが、それでも有限である。

どうにかして振り切らなければジリ貧となり捕まってしまうだろう。

様々な方法を考えてみるがひとつ面白そうなことを思い付いた。

練習なしでやるには少し不安はあるが、やりたくなってしまうとそれしか考えられなくなる。


その結果、僕の走る速度が格段に上がり振り切ることが出来た。

その理由は単純だ。

踏み切る瞬間に足裏から風を出し勢いをつける。それを繰り返すというものだ。

初めはタイミングがずれ時々減速していたが、それも無くなっていき楽に振り切ることが出来た。

何となく風を切る爽快感にハマってしまいこのゲームを振り回す案が頭の中に浮かび、実行に移すのだった。



リーセスとレイは二人で行動していた。

こういうゲームは全滅したら終わりのためわかれて行動した方が良いのだが、それだからこそリスクを感じながら楽しむことが出来る。

吊り橋効果とまでは言わないがそれに似た感覚である。

チームのためにならないという若干の背徳感もあり、二人の間には甘い空気が流れていた。

何人か鬼が近くに来ていたのだが気を遣い後回しにしていた。


「鬼、来おへんな~」

「そうだね・・・・・・あ、あそこの花綺麗」

「お、ほんまやな。とってこよか?」

「いや、良い。ああいう綺麗な花には毒がありがちって本に書いてあったから」

「綺麗の裏には毒があるってか・・・・・・じゃあ、レイはどんな毒を隠してんのやろな?」

「え?毒なんて・・・て、もう」

毒なんて隠してないということを主張しようとしたレイであったが、その途中で綺麗だと言われたことに気づき顔を赤らめながら軽くリーセスを押す。

「やっぱり毒あるやん」

「ない」

今回のリーセスをレイは先程押したのを毒と捉えられたと考えたがリーセスは違う意味で言っていた。

顔を赤らめるレイを見ていると心拍数が上がるため心臓に毒という意味で言ったのである。

しかし、直接そういうのは恥ずかしいためその事は内緒にするのだった。

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