表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
185/304

181話

言葉と共に放たれた水の渦を事も無げに槍で振り落とすディルダー。

お返しとばかりに片手を槍から離し水の渦を放つ。

威力、範囲共に先ほどのブマハチのものより高く大きい。

それを見たブマハチはさらに大きくなり水の渦を放ってそれを相殺する。

大きくなることで力が増していくようでディルダーが放ったものと同等になっていた。

ディルダーは少し驚きながらも獣化する。

ディルダーの考えではブマハチは元々獣化した状態の突然変異。

タコ、イカのオズジがそれだ。その突然変異の特徴は常時普通の獣人以上の力を発揮することが出来るが、普通の獣化ほどの力の上昇はない。

それでも獣化したディルダーと並ぶ水の渦を作れているのはブマハチの得意分野であるからというのとディルダーの獣化はあくまで攻撃力のアップであるためだろう。

それを察したディルダーは近接戦を仕掛ける。

ブマハチはそれを避けるべく周りに数多の水の渦を作り出す。

しかし、それで止められるほどディルダーは弱くない。

そして、経験豊富であるためそれは悪手であった。

その水の渦の外から水流を作り水の渦を中心にいるブマハチに集める。

結果己が生み出した水の渦に自分自身が飲み込まれる形となる。



その様子を見守っているものがすぐ近くに数名いた。

サテュロスとブマハチ以外のオズジのメンバーである。

サテュロスは冷静に、オズジのメンバーはディルダーの技量に改めて感嘆しながら見ている。

手を出すことは誰にも許されていない。

そこにディルダーの覚悟が垣間見える。万が一ディルダーが危なくなればサテュロスは獣人の王として見過ごせなくなるが、それまでは傍観を貫くつもりでいる。

また、精霊王の姿であるためおいそれと動くことが出来ないということもあった。

もっとも隣にいるマツグナロはすぐにでも動けそうなためそこまで身構えてもいないが。



「僕は・・・僕はこんなものじゃない」

先ほどの攻撃を意図も簡単に返されたことでむきになったのか水の渦ではなくその身でディルダーに襲いかかる。しかし、これもまた獣化により攻撃力が増しているディルダーと戦うには悪手である。

結果すぐに首を落とされ事切れることになる。

弟子だからと情けをかけず反逆者として平等に対処したことが彼が長い間海底の主を続けられている理由だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ