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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
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ブマハチ

「会いに来た理由は知らないがこちらの使命を果たさせてもらう」

名乗った後そう言い放つと途端に辺りが冷たくなる。

周りの水の水温が下がったのである。それは指先が動かしにくくなるほどで二人とも何とかしようと火の魔法で辺りを暖めようとするが水中のためそれは失敗に終わる。

そうしている間にもブマハチは止まらない。周りの水流を操り二人を囲むように渦を作る。

指だけでなく体までも動かしにくくなってきている二人を逃すことはなく渦は完成する。



「これ、ヤバくない?」

「そんなことはない」

慌てるノインとは対照的にレクスは冷静だ。こうなったときの対処法を知っているかのような落ち着きようだった。

「合図をしたら防御しろ」

「わかった」

ノインは何をするつもりなのかわかってなかったが言うことを聞くことにする。

その声を聞いたレクスは今の自分の限界まで魔力を集める。

隣のノインも気づくほどだったが渦の向こうのブハマチにはわからなかったようでなにもしてこなかった。

「行くぞ」

片手を前に出しレクスがそう言うとノインは防御魔法を発動する。

その瞬間瞬間的な眩しい光が生じそれにより目を閉じる。

レクスが放ったのは雷魔法。水は電気を通す。

つまり、敵の位置が把握できない状態にあっても適当に放つだけで当てることが出来る。

出来はするが同時に魔法を使える技術がないと自分を守ることが出来ないがレクスにはその技術がない。

しかし、ダメージを受けていない。それは一言に言えばカイのお陰であった。

自動で発動する防御魔方陣。それがレクスの身を守った正体である。

ノインに自分も防御魔法で守ってもらうという手もあったが魔法を放った瞬間に防御魔法を発動するという高度かつ連携が必要で失敗すれば敗北が確定する場面でそのような博打を打てなかった。

もし自分を守ることに失敗してもノインさえ無事ならばなんとかなる。それがレクスの考えだった。

確かにタイミングを間違えて自分達を防御魔法に閉じ込めてから雷魔法を放ってしまえば自滅しただけとなる。それは確実に避けるべきだったといえるだろう。

しかし、次期国王としてはいささか自己犠牲の精神過ぎた行動だったと言えるだろう。

もっともそれを責めるものはここにはいないため必然的にお咎めなしとなるだろうが。

その結果自分達を取り囲んでいた渦は消え先程より大きくなったブマハチとまみえることになった。

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