表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
亜人大陸編
132/304

最終日が近づくなか

翌日となった。

リーセスは昨日と同様緊張が隠しきれていない。

その様子を見てノインは少し安心した。

昨日、外出してしばらくした後これではリーセスが告白したのかわからないということに気づいたのだ。

そのため今日は二人の邪魔にならないように静かに過ごすつもりだ。



リーセスは機会をうかがっていた。

どのタイミングが良いのか、どういう風にすると良いのか、全くわからずにいた。


昼食の時チャンスが訪れた。

ノインがすぐに食べ部屋に戻ったのだ。

突然のチャンスに薄れかけていた緊張が最大にまで跳ね上がる。

その様子をレイが気づかないわけもなく、

「大丈夫?昨日からおかしいよ」

「だ、大丈夫や」

「本当?熱があるんじゃ・・・・・・」

そういいながら自分の前髪を上げ近づいて来るレイ。

「ホンマに大丈夫やって。これは、その・・・・・・緊張してしもうて」

「緊張?なんで?」

「それは・・・その・・・」

やはり言い出せない。

そのとき心配そうな顔でこちらを見ているレイが目に入る。

覚悟を再びして口に出そうとする。

「僕、気づいたんや。初めてレイに会ったとき自分の素が出てたんちゃうかなって。今までそういう経験なかったんや。やからその・・・・・・ずっと気になっとって・・・・・・僕の彼女になってくれまへんか?」

しっかりと言いきった。

その場は静寂に包まれるが二人ともが自分の心音を強く感じていた。

リーセスは静寂の時間が長くなるにつれ緊張が高まっていく。



レイはというと、好きな人からの突然の告白に状況の整理が追い付いていなかった。

初めは他の人よりも会話が少なくて嫌われているもしくは苦手意識を持たれていると思っていた。

それでも諦められなくてとにかく頑張った。

徐々に距離が近づいているという成果は実感していた。

しかし、リーセスは誰とでも親しくなるため自分もその内の一人なのかもしれないと考えていた。

それが急にお付き合いをするチャンスが巡ってきたのだ。

困惑しても無理はない。


頭の中がほぼ真っ白になり、この事以外考えられなくなった時、

「はい」

その言葉と共に涙が溢れてきた。



レイからの返事を受け、嬉しい気持ちを押さえつつ、

「待たせてごめんな」

そう言い背中をさすることがそのときできる限界だった。



そのような流れをノインは自室からこっそりと聞いていた。

ノインとしても長年続けていた作戦の成果がようやく実り、嬉しそうなレイの様子からもらい泣きをしていた。

その声は少し漏れていたのだが、二人にそこまで気にするほどの余裕はなかったため気づかれなかった。

急遽いれたラブコメ要素強めの話はどうだったでしょうか?

次話から話が進みだす予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ