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[元]面倒くさがりの異世界譚  作者: 空里
訓練と成長
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職場体験 2

職場体験の行き先が決めてから2週間くらいたったある日。

いろいろな手続きを終えて職場体験の初日を迎えている。

僕はロヴァイトさんとの模擬戦なのであまり仕事感が無い。

場所が待ちの外ということ以外いつもの学校での模擬戦なので日常という感じだ。


若干お腹がすく頃。

「少し早いが休憩に入ろう」

ロヴァイトさんには珍しく早めに切り上げた。

少し不思議に思いながらも街に歩いて行く。

瞬間移動も使えるけれどロヴァイトさんをおいていけないし連れてい行くにしても誰かに見られれば騒ぎになる可能性がある。

突然人が現れるとか心霊現象とも思われかねない。

そんなわけで歩いて帰っていたのだが、

「最近調子はどうだ?」

と声をかけられた。

死神の目にまだ分かっていない能力がある可能性があることを知っているからだろうか。

「特に変わりは無いので大丈夫です」

「な!進展が無いのか?」

うん?死神の目の効果が出たらやばくない?

なんか話がかみ合ってない気がする。

「すいません。なんの話をされてます?」

「もちろん娘との関係だが」

「っ!?」

そっちか・・・・・・

娘の婚約者に普通そんなことを訊くか?

まあでもなんか今更感があってツッコむ気にはならなかった。

「そのことについてはまた追々・・・・・・」

「そうか。話しにくいことを訊いて悪かったな。あの子は本当に男が苦手だったから昔はもう孫の顔を見ることは諦めたときもあった。ミサリーがお前達に早くと促しているのはそれが大きいんだろう。諦めていたものが見られるかもしれない、そう思っているんだろうな。最近は特に明るくなった。だから、ありがとうな」

ロヴァイトさんはどこか複雑な様子だったが、でも本心と分かるそんな表情をしていた。

ロヴァイトさんも娘が結婚するのには少し抵抗があるのかもしれない。

しかし、ミサリーさんとマイのためにもその気持ちを抑えていたそんな感じなのだろう。

「娘さんは僕が必ず幸せにします」

「その言葉が聞けただけで満足だ」

このときのロヴァイトさんの表情はどこか吹っ切れたような嬉しげな様子だった。


街まで帰るとスタール亭に直行した。

話しながら帰って来たことでもう少し経てば昼食の時間というところだった。

スタール亭に入るとすぐに僕だけ個室に案内された。

ロヴァイトさんは久しぶりに厨房に入ると言って引き留める間もなく厨房へと向かっていった。


少し経つとマイが入ってきた。

マイの話ではお昼休憩はこの個室で過ごしなさいとミサリーさんに言われたようだ。

なんとなく分かった。

これが目的で職場体験に二人で来るように仕向けたのだろう。

でもまあ、ロヴァイトさんのあの話を聞いてしまうと何も言えなくなる。

ご厚意と考えるようにしよう。

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