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気味の悪いほど心地いい風の下を歩く

作者: 秋野真冬

今日は季節外れの前線配置だ

起き抜けに見たネットニュース

長雨の降るらしい

幸い今はまだくもり

いまのうち洗濯物を干そう

そうベランダに出た時

梅の花をはき違えた空気を吸った

どこか寂しく懐かしく

重く思える軽い風

いつのまにか自転車を走らせていた

道なんて知らない知らない道を

ただ無心にかけてゆく

記憶に残らない世界で脳裏に焼き付く風の香りを

存分に楽しみ只此処に在る

漂い渦巻く

自然と人工のペトリコールは

今は何もしなくていいのだと

追われる必要はないのだと

そう諭すかのよう

抗わず逆らわず

流れていようと

知らない路地を   あ!


雨粒だ 洗濯物干さないでよかった

誰かも私と同じく天を仰いでいる 彼に視線を寄せ

ポストが端に映る

しまった 郵便局に行かなきゃ

やっと思い出した私を

小突くかのように旋毛を侵す天の涙に


最後、鍵をかけつつ思うのだ

栄光の手も乾きやしまい と、

雨は好きです。私のハンドオブグローリーはまだ生きているようです。

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