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聖地巡礼追いかけっこ(シューター目線)

俺の親戚のエラから嘘を吹き込まれ、それが事実でなかったと混乱しながら旅に出たルリユルを追って早3日……


全っ然捕まえられない!!


何故だ?多少の行き違いは仕方ないとしても

オレリー=ルロイ女史の作成してくれたこの、

“ルリルリ版聖地巡礼完全攻略マップ”を参考に

探索しまくっているというのに全く見つけられないのだ。


昨日からは全魔力を注いで探索魔法をかけているのだが、俺の魔力量ではたかが知れている。

半径3キロメートル以内でいっぱいいっぱいだ。


それでも魔力回復ポーション片手に探索し続ける。


もうこの国には居ないのだろうか。

次の聖地に移った?


俺は再びマップを広げて思案する。


ルリが起こしそうな行動。


しかし意外と思い切った発想の転換をするルリ、

もしかしていつもの自分とは違う行動をとる事にした……?


俺もそれを想定して追ってみるか?


いやでも、もしそうでなかったら、ますます捕まえられる確率が低くなる。


どうしたらよいものか……一刻も早くルリを捕まえて、その気持ちを確かめたいのに。

ルリの中で俺が幼馴染枠から抜け出せない男友達の感覚のままでいる事はわかっている。

それでも絶対に他の男に取られたくなくて婚約を結んだというのに。


だからこそ早く一人前の騎士になって、あの時ルリが憧れた義姉の亡父のような騎士になってルリに告白しようと思っていたのに……。


情けない事に俺は未だに肝心な言葉を彼女に伝えられていない。


正直まだまだあの騎士のようにはなれていないが、

彼女に会えたら想いを伝えよう。


愛してるのはルリユルだけだと。


正騎士の誓いを立てたのはお前なのだと、彼女の前に跪いて許しを乞おう。


それなのに……


それなのに、全然見つけられないっ!!


ルリ、どこだっ!?


ルリ、出て来いっ!!


俺はマップを握りしめ、とりあえず次の予測巡礼地であるアデリオールへと転移()んだ。



しかし、4日経っても5日経ってもちっともルリに会う事は叶わなかった。


ポーションの飲み過ぎで小○の色が変わってきている。


体力的によりも、ルリに会えない焦りの方が疲労感に拍車を掛ける。


このまま物理的にも精神的にもルリの心が俺から離れていったらどうしよう。


どうしてもっとよく彼女の事を見ておかなかったんだ。


表情が仕草が行動が可愛いと、のほほんとしている場合ではなかった。

それに加え、足捌きや体の所作を模倣する為に義姉(ねえ)さんばかりを見ている場合ではなかった……!


彼女に認められる男になる為に得ようとした“隠し技”だが、肝心のルリを失っては意味がない。


ルリは今どこにいる?


ルリが取った休みは1週間。


残り2日、ルリはどう行動する?


俺は考えた。


考えに考え、そして幼い頃から知るルリユルの起こしそうな行動パターンを考え抜いた。


そして一つの結論に辿り着く。


ルリは大好物な食べ物は最初と最後に食べる。


最初の一口に好きな物を食べ、

最後の一口にも好きな食べ物を食べるのだ。


となれば……


ルリの事だ、きっと巡礼の最初の目的地はオレリー=ルロイ女史の想定した通りイコリスだっただろう。


そして旅の締め括りに、必ずイコリスに戻ってくる!!


俺はその可能性に全てを賭けた。



ルリ、ルリどうか……どうか、俺に想いを伝えるチャンスをくれ……!


そして今までの事を謝らせてくれっ……!



最後の賭けに出る為に、俺は転移魔法にて再びイコリスへと飛んだ。


そしてなけなしの魔力を振り絞って探索魔法を掛け、魔力の網を四方に張り巡らせた。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 前話のオレリー様、絶対にファンクラブが密かに活動しているであろう、痛快な格好よさ。 脳筋と断罪されたけれど、ルリルリの事ならば、意外と有能だったシューター様、頑張れ。房飾りの男の純情が良…
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