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二話 どこか変わっている。

「まあ、詳しい話は明日になってから話すよ。今日はとりあえずゆっくりしなさい。」

 ギイ総司令は私にそう言い、きびすを返して歩き始めた。

「あ、ネフィア君。君の部屋はこの上の階のつきあたりにあるから。部屋の前にネフィア君の名前のプレートがあるから、行ったら分かると思うよ。それじゃあ、私はこれで。」

 言い忘れてたかのように振り返り、部屋の場所を教えるとまた歩き出してしまった。

「王国最強の部隊……ねえ。」

 一人残された私は、ギイ総司令の言葉に違和感を覚え、ボソリと呟いた。


「わあ……!」

 自分の部屋を見つけ、ドアを開けた私は、思わず声が出てしまった。

「これが……私の部屋!」

 一人で使うにはとても広い。天井ギリギリまで高い本棚に、木製の分厚い机と椅子。

そして見るからに柔らかそうなベッドが置いてある。更に、大人が六人は横になれるくらい広いスペースもある。

魔法学園の寮の部屋の何倍も広い。

「こんな部屋を一人で使えるなんて贅沢う〜!」

 持っていた荷物をポイって放り投げ、私は本能のままにベッドに飛び込む。

「フワァァ〜、すっごいフカフカだあぁ〜〜」

 やばい!このままじゃ、とろけちゃう!駄目になる!でも分かっていても離れられないよお〜!

「フワアァ〜」

 フカフカのベッドの感触でとけそうになっていると、どこからか鼻歌が聞こえてきた。

「フンッフフンッフフン〜」

 誰だろう?気になった私は、ベッドから起きてドアを開けた。

「フンフンッフ……」

 私がドアを開け、歌が聞こえてくる方を向くとスキップしながら鼻歌を歌っている可愛らしい少女と目が合った。

 私と同じくらいの年齢かな……?

 背が低く、黄色のショートヘアで目がきゅるんと丸い。そして身長と釣り合っていない大きな胸。

 ……はあ、理不尽だ。

 じっと少女の成長した胸を見ていると、少女は目線に気がついたのか、急に真っ赤に顔が赤くなった。

「……きゅぅ!」

 可愛らしい声を上げ、こちらを見て目をパチパチさせ始める。

 「えっと……はじめまして。」

 私は胸から目を離し、少女声をかける。

 「・・・・。」

 いくら待っても返事が返ってこない。

アレ?聞こえてなかったのかな?

「はじめまして、私はネフィ……」

「知らない人がいるぅぅぅ!誰!?誰なのおぉぉ!」

「あっ、ちょっと待って!」

 少女は大きな声で叫ぶと、走って廊下の奥へと居なくなってしまった。

「あちゃ〜」

 なんか分からないけど逃げられた。

逃げられたことにショックを覚えながら、私はヘアのドアを閉め、放り投げた荷物を取る。

「ロック解除」

 私は荷物に魔力を注ぎ、魔法を唱える。

少し荷物が光り、閉じていた荷物の入り口が開く。

「まずは荷物を整理しなきゃね。」

 

 大体の荷物の整理を終えた私は、お腹が空いたため、食堂を探していた。

さっきすれ違った人に聞いたところ、食事は食堂で無料で提供されるとのことだった。

「はあ、さっきすれ違った人に、食堂の場所も聞けばよかった。」

 じつは、自分の部屋を出てから、かれこれ10分は歩いている。

 この基地、本当に広いな。適当に歩いていたら食堂にたどり着けると思っていたのに、全然たどり着かない。

この時間帯は、皆どこかで何かをしているのか、さっきすれ違って以来、誰ともすれ違わない。

もうこのまま飢え死んでしまうのか!そう思っていると、前から黒髪の青年が歩いて来た。

やっと人を見つけた!

「すみません、食堂に行きたいんですけど、教えてもらえませんか?」

声をかけると、青年は目だけをこちらに向け、表情を一切変えずに答えた。

「……俺も今ちょうど食堂に行こうと思っていたので。」

そう言い、青年は目を前に戻し、歩き始めた。

 なんかちょっと変わった人だなあ。なんだろう。不思議な雰囲気もある。

「……ま、いっか。」

 それよりも飯だ!飯!

私は、青年の後に続き、食堂へと向かった。

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