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序章 平和な世界

 「ああ、平和ね。」

 馬車に揺られている私は、外の景色を見て微笑む。

誰もが幸せそうに暮らしているこの光景を見るとつい口元が緩んでしまう。

 この国は、もう何十年も戦争が起きていない国。名前は『グレイビア王国』。

貧困もなく、犯罪も少ない、平和な国だ

「それなのに、どうして私は軍の部隊に編入させるのかしら。」

そう言い、ため息をついた。

 私、ネフィアは最近まで魔法学園の生徒だった。実技、筆記共に優秀で、今年の三月に首席で卒業。卒業後は、みんなの憧れである宮廷魔法士になる予定だった。だが、急に、国から私宛てに軍への召集状が届いたのだ。

 「こんなに平和なのに、軍へ入れなんて、どうゆうことなの。」

 そもそも『軍』というものがまだ存在するとは知らなかった。軍という役職は、戦争が終わると同時に消えてしまったと言うのが常識だ。

 私も授業でそう教わってきたし、お母さんだってそう言ってた。なのにどうして……

「……はあ。まあ、行けば分かるか。」

 今私が向かっている場所、『基地』に行けば分かる。そう思い、私は目を瞑った。


 長時間馬車に揺られ、施設に到着した私は今、黒と灰色の軍服を着た男性の前に立っている。

「ようこそ。グレイビア王国唯一の軍事施設。『グレイビア黒防衛基地』へ。私はここの総司令官を務めている、ギイだ。」

 50代後半くらいの特有の声でそう言い、手を差し出してくる。

どうやらこの男性がこの基地の一番偉い人らしい。

 私は差し出された手を握り、挨拶をする。

「初めまして。今日から部隊の一員としてお世話になる、ネフィアです。」

 自分ながら、どうだろうかと思う挨拶とし、少し不安になるが、ギイ総司令は気にした様子も無く言葉を続ける。

 「君の学園での成績は聞いているよ。とても優秀な生徒だったじゃないか。」

 そう言い、私の手を離し、一枚の紙を渡してくる。

「早速だが、ネフィア君。君にはとある少数部隊に所属してもらうよ。」

 渡された紙を見ると、私を含めた6人の顔写真とプロフィールが載っていた。

「部隊の名前は『エスキア部隊』。グレイビア王国が誇る最強の部隊だ。」


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