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プラムの贖罪

お話の構成的なもので今回は短めです。

 前衛を二人に任せて、プラムは離れた位置でバフと回復でサポートをしつつ観察をする。


(さてと、あれだけ自信満々に大口を叩いちゃったんだから、確実に成功させないと……。タイミングが大事……でも、リュザック相手に前衛は長く持たないわ……)


 魔術でPTの全能力を上げて、回復を使っても強敵相手には付け焼き刃だ。

 攻撃が通らないので、相手を弱らせることもできていないというのも辛い。

 ミースの攻撃も無効化され、ゼニガーが庇い続けるという状態に陥っている。

 リュザックの猛攻は激しさを増し、魔槍の穂先が徐々に血で染まっていく。


「ふはは! どうした、ミース! ゼニガー! 毒のゼンメルヴァイツに手傷を負わせたというのに、我に対しては傷一つ付けられぬではないか!」

「くっ!?」


 表面のダメージは回復魔術で癒やされているように見えるが、徐々にダメージは蓄積されていく。

 観察するプラムは焦りを覚えるがまだ動かない。

 待ちながら考える。


(そう、アイツら悪魔には称号がある。気持ち悪いウィルは〝毒〟で、リュザックの父親は〝水〟だった。子であるリュザック……というか、魔槍の属性も水の可能性が高い。そうなれば弱点は――)


 冒険者学校で習った。

 火は風に強く、風は土に強く、土は――〝水〟に強い。

 単純に考えれば、水の魔槍に対しては土魔術を当てれば無敵の仕組みを打ち破れるのではないか、と。

 だが、土魔術は石つぶてであり、それが上手く当たるのかが疑問だ。


(水による無敵なら……水魔術を応用した、空気中の水分を調節して屈折率操作で幻を見せているか、それとも水で分身のような物を作っているか……もしくは複合か……どちらにせよ石つぶてである土魔術をピンポイントで命中させるのは難しい)


 プラムは冒険者学校で勉強した知識をフル活用して考えていくが、なかなか確実に倒す手段まで辿り着けない。

 現状、自分を餌にした範囲上級土魔術アース・トルネードを使って五分五分といったところだろう。

 他の火、風、水は範囲と密度は広がりそうだが、たぶん効果薄だろう。

 比較的範囲の広い初級魔術の連射でも無意味だったのだから。


「土、風、水、火……どの属性でも厳しいわ……」


 プラムは独りごちながら周囲に浮遊する精霊たちに視線をやったのだが、そこで気が付いた。


「……あるじゃない! 最善の一手が! ……たぶん私も死んじゃうかもだけど」


 微笑むプラムは諦めるような口調だったが、それも仕方がないかと決心していた。

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― 新着の感想 ―
[一言] プラム「ゼニガー!10まんボルト!!」 ゼニガー「なんでワイや!?」 ミース「…ああ、40話の感想」 ゼニガー「気づくか!!」
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