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ワールドクエスト参加

「そ、そんないきなり……。俺はまだ【創世神の右手】も使いこなせなくて……」

「それは心の問題だ。ゼニガーと一緒でな」


 学長室にいるのはルインだけでなく、学長であるメラニ・ケイローンもだ。

 その緊張した面持ちから、これは冗談ではなく、本気で緊急事態だということを否が応にも感じ取らせてしまう。


「学生である貴方たちに頼るのは心苦しいですが、少数精鋭が求められるのと同時に、現地にいる神殺しの団メンバーのメンバーが限られているのです」

「そんならルインはんの方が――」

「残念ながら、アタシはとっくにおまえらに実力を越えられているぞ。それにスタンピードに備えて残る側も必要だ。急ぎだから大まかな説明をするとだな――」


 神殺しの団本拠地でワールドクエストが発令。

 設定場所は成長の町ツヴォーデン、試練のダンジョン。

 そこで指定時間に発生するスタンピードのボスを三時間以内に倒すことがクリア条件。

 特殊な条件としては、悪魔陣営への攻撃禁止。

 現地への転送なし。

 参加人数は四人。

 成功報酬は、金色の魔石十個。

 失敗罰則は、成長の町ツヴォーデンすべてのダンジョンでスタンピード発生。


「なんつーシビアな条件や……」

「もうすぐスタンピードが発生して、たった四人でボスを倒す……」

「そのシビアな条件を、貴方たちは始まりの町アインシアで成し遂げたと聞いています」

「メラニ学長、それは俺たちが奇跡的な状況で、しかも最初からスタンピード発生前にかなり進んでいたからで……」


 メラニはそう言うだろうと見透かした表情で笑みを浮かべた。


「ミース君、それからさらに学び、成長した貴方なら出来ると信じています」

「ど、どうしてそこまで俺を……」

「だって、私は貴方の先輩なんですから。私が恋焦がれたあのフェアト先生の教えを村で受けたのなら、信じるに値します」

「もしかしてメラニ学長は、フェアト先生の……」

「こほんっ、無駄すぎることを喋りすぎましたね。――それで三人目の参加者として登録されているプラム君はどこでしょうか?」


 そういえば、学食で別れたっきり見ていない。

 かなり機嫌が悪そうだったので、まだ怒っていそうだ。

 そんなことを考えていると、学長室に大急ぎでやってきた人物が一人。


「た、大変ですわ! オーロフとプラムミント様が飛び級狙いで試練のダンジョンへと向かってしまいました!!」

「なに!? それは本当かセレスティーヌ!?」


 それを聞いたルインは大慌てだ。

 ワールドクエストの通達が来てすぐに試練のダンジョンがスタンピード発生の予兆があるとして、注意勧告を出していたはずなのだ。

 それを聞く前に潜ってしまったというのなら盲点だ。


「くそっ、たしかオーロフには位置特定用の魔道具が付けてあったな……場所は……なんてこった。もう一層目の終わり辺りにいるぞ。こうなったらもうオーロフを四人目の参加者にするしか……」

「ちょ、ちょい待ちぃや。つまりこれはどうすればええんや!?」


 様々な突発的なことが重なり、ゼニガーは軽いパニックに陥っていた。

 それを見てミースは逆に落ち着くことができ、その場を分析する。


「つまり俺たち二人が試練のダンジョンに潜って二人と合流――いや、救助になりそうか。その後、ワールドクエスト参加者の四人でボスを撃破……かな」

「なるほど……でも、ワイらはスタンピードに慣れてるから何とかなるかもやけど、前回のことを考えると町への被害は大丈夫なんか?」

「そこはルイン先生に任せろ。今回は事前にわかったから冒険者たちに指示を出して短時間なら防ぐ事ができる。それに――」


 ルインは自信ありげな笑みを見せた。


「ハインリヒ様ほどは頼もしくないが、間に合えばお前らも知っている助っ人が二人やってくる予定だ」

「俺たちも知っている助っ人……?」

こっ、これはオーロフとプラムによるNTR展開か!?

みんなの脳が破壊されるううううぅぅぅうう!!

(NTRタグはついてないので純愛派が脳を破壊される楽しい展開はありません)

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― 新着の感想 ―
[一言] まさか『赤』の二人とか!? (忘れかけてたけど)
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