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クラス対抗ダンジョン攻略戦

 それから再び月日が流れた。

 授業で学びながら、ミース、ゼニガー、プラムもそれぞれの個別の特訓を密かに行っていた。

 教室で三人は顔を合わせると、お互いに何かやっているんだなと感じるも、何かを順調に得ているんだろうなと察しているために聞くことはしなかった。


「おはよう、ゼニガー、プラム」

「おはようさん」

「おはよ~……」


 ミースはタフさでいつもと変わらず、ゼニガーは椅子に背を預けてだらんとしていて、プラムは机に突っ伏している。

 他のゼウスクラスの学生たちも椅子に座り始め、チャイムが鳴って朝のホームルームが開始される。


「よーし、良く聞けゼウスクラスの奴ら~!」


 先生らしからぬ口調で話し始めたのは、教壇に立つルインだ。

 たぶん自分でも真っ当な教師と思っていないのだろう。


「今日はクラス対抗ダンジョン攻略戦の代表PT決めを行うぞ」

「あの、ルイン先生。クラス対抗ダンジョン攻略戦って……?」

「良い質問だ、小僧! それを今から説明しようと思う。ちなみに他のクラスは随分と前から教えられていたようだが、ゼウスクラスはアタシが説明し忘れていたぞ……!」


 割と自信満々にルインは言っているのだが、実は裏で三人の特訓を見に行っていたりするので責めることは出来ない。

 一見すると他のクラスメイトから迷惑がられるかもしれないが、その分ルインの指導が上手くゼウスクラスは成績が良いのでプラスも大きいので不満は出ない。


「クラス対抗ダンジョン攻略戦とは、まぁ名前の通りにクラスでダンジョン攻略戦をやるという感じだぞ」

「クラスって、たしか12個あったっけ……」

「そうだ。ゼウスクラス、ヘラクラス、ヘスティアクラス、ポセイドンクラス、ヘルメスクラス、ヘパイストスクラス、デメテルクラス、アルテミスクラス、アレスクラス、アフロディーテクラス、アポロンクラス、アテナクラス――だ」


 クラス名の元となっているのは使い慣れない言葉なので、ミースたちは羅列されてもいまいち覚えにくい名前だった。


「この名前で争い合うというのは、アタシでも何か感慨深いものが……おっと、説明の途中だったな。この12クラスがダンジョン攻略を競うのだが、どうやってだと思う? そこの木偶の坊、答えてみろ!」

「まだワイは木偶の坊呼びかいな!? せやなぁ……12のクラスがダンジョンで一気に競うのは無理やから、1クラスずつ潜ってクリアタイム勝負かいな?」

「ぶっぶー、はい不正解。死んだ、今木偶の坊死んだぞ」

「死なんわ!」


 良く分からないノリにゼニガーはツッコミを入れたが、ルインの説明はまだ続いた。


「三つ首のダンジョンという特殊な場所があってな、入り口が三つあるんだ。ここを使って3つのクラスが同時に入り、ボス討伐を競い合う」

「へ~、そんなダンジョンがあるんやな」

「で、その三つのクラスは成績から事前に決められている。一つ目は隣のお貴族様(・・・・)エリートが多いアレスクラス」


 アレスクラスはミースも知っている。

 よくオーロフとマルトがちょっかいをかけてくるからだ。

 ちなみに手の甲にキスをしてきたセレスティーヌもアレスクラスからちょっかいをかけてくるのだが、オーロフのそれとは違って非常に厄介だった。

 詳細は省くが、とてもプラムの機嫌が悪くなる。

 今も何かを察したのか、プラムからの無言の圧を感じる。


「二つ目はヘルメスクラス。平均すると成績はそこまで高く無いが、突出して優秀な一人がいる感じだ」


 その一人とはリュザックのことだろう。

 まだ実際には戦ったことはないのだが、恐ろしい何かを秘めているように思う。


「で、栄えある三つ目の枠はアタシたちゼウスクラスだ。平均的な成績も高いからな、クラス全員の手柄だ。喜んでいいぞ」


『やった!』『さすがオレたち!』『ルイン先生厳しかったからなぁ……』と様々な声が生徒たちから上がった。

 何だかんだ複数クラスで争わせることが多い冒険者学校だが、こう見ると競争もある程度は効果的なのかもしれない。


「そして、最初に言った通り今日は代表PT三名を決めるんだが……いや、決めるというか、もう勝手に決めたぞ」


 えぇ!? と驚きの声が上がったが、すぐに収まることとなる。


「まずはミースとゼニガー」

「俺!?」

「ワイらか~」


 本人たちは戸惑うような反応だが、クラスメイトは素直に受け入れた。


「お前たちなら心配いらないか」

「クラスで一番強いもんね」

「オレたちの分まで頑張ってくれよ」


 こうまで言われてしまうと、俺なんかがとは言いにくくなる。

 勝手に決めてきたルインを恨むしかない。


「で、最後の一人だが――プラムミント、行けるな?」


 その名前にクラスがざわついた。

 プラムが魔術適性なしとなったのは、全員が知っているからだ。

 いくら座学が優秀でも、実際にダンジョンに挑むには無謀すぎる。

 貴族にも厳しいルインがただのえこひいきなどするはずもないし、何か場を和ませるための冗談かとも思ったのだが――


「もちろん! ゼウスクラスを一位にしてあげるわ!」


 その自信満々のプラムの声が教室に響き渡ったのであった。

ぐあー、すみません! ちょっと諸事情で投稿ペース落ちるかもしれません!

なるべくそのままできるように頑張りますが!

ちなみにクリスマスイブとか呼ばれるらしい24日も執筆時間取れるか怪しいです……(もちろん恋人と過ごすとかではないデス)。

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― 新着の感想 ―
[一言] ベルく… ヘスティアクラスは!? ヘスティアクラスはどうなった!?
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