コミカライズ開始記念幕間2
復活を果たしたレドナは、ミースからその間のことを色々と聞いていた。
「なるほど、オペレーターエアーデは我々の報告書を作っていたでありますか」
「お、オペレーターエアーデ?」
いつものことだが、レドナはよくわからない言葉を使う。
大体は聞いてもスルーしてくるので慣れてしまった。
「当機も報告書を作る機会があるかもしれないのであります! 先ほどの話のようにシミュレートしておくであります!」
「先ほどのって……」
エアーデが、ミースを女体化させたり、雑すぎる印象でゼニガーの報告書を作っていたりという始まりの町アインシア時代の話だ。
それを学んでしまったレドナが何を言い出すか想像できない。
「マスターミースは、当機のボディのことをどう思うでありますか?」
「うーん、どうと言われても……。綺麗な女の人、かな?」
「そ、それはそれで嬉しいでありますが、もっと具体的に!」
「えぇ……」
ミースは困惑しながら、レドナの身体をまじまじと観察した。
ボディは球体関節の人形だが、赤いドレスを着ていれば女性らしい体付きでありながら、スラッとした手足となっている。
艶やかな黒く長い髪、顔も人間離れした美しさで、喋らなければ絶世の美女と言っても過言でないだろう。
ミースはそれをそのまま口に出した。
「そ、それほどでも……ありますかなぁ……えへへ……」
レドナは自動人形らしからぬ照れっぷりで、ミースの目を見られないでいた。
「レドナはそれを報告書に書くの?」
「い、いやいやいや。オペレーターエアーデは、機密を守るために偽装工作として真逆の事を書いていたであります! つまり、当機も逆の機体性能を書くでありますよ!」
「逆……? 嫌な予感しかしない」
「マスターミースの例から学んで、性別を逆にするであります!」
「やっぱり……」
レドナはすごい勢いで紙に何かを書き始めた。
ミースは止めようと思ったが、数秒で書き上げられてしまった。
「ニューレドナの完成であります!」
「え、えーっと……」
ニューレドナ。
身長が高く、髪の長いイケメンでマスターミースの頼れる兄、溺愛されている。
いつも機械的でクール知的な発言をしていて、パーティーの天才軍師と恐れられている。
頭の悪いポンコツなクルーゼニガーを導いて、彼から尊敬の念を集めている。
「な、なるほど……。そ、それでこの絵は?」
「当機であります! 自信作であります!!」
説明の横に棒人間が描かれていて、顔は異常にアゴの尖った謎の物体だった。
アゴで人を殺せそうだ。
精緻なイラストを描いていたエアーデとは大違いである。
しかし、レドナ本人が自信作と言っているのだ。
ミースは色々と言いたいこともあったが、褒めることにした。
「う、うん。じょうずにかけてるね」
「で、ありますか~~っ!!」
レドナは大喜びしていた。
なお、このあとゼニガーがこれを見て大笑いして消し炭になっていた。
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