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恋に落ちた  作者: 群青さかな
2/15

ライブ配信

当時、私は特に取り柄もキャリアもない主婦だったので、学生時代から好きだった英語をもう一度ブラッシュアップしようと勉強する毎日だった。


仕事も週に3日のパートだったので時間もそこそこあり、勉強するのに都合が良かった。


学生時代は家にお金がなくて留学も出来なくて、そのせいではないけれど現実から目を背け、英語の世界から離れてしまったのだ。


でも結婚して子供も生まれ、ちょっと余裕が出てきた頃にSNSなんかのインターネットをやってみると、そんなにお金をかけずに英語の勉強ができることに気付いて、目覚めてしまった。



「なんだ、一人でも勉強できるじゃん…。」



単語や文法を覚えて、たまには外国人とSNSで交流。


…楽しいんだけど、まだまだ私は初級者で、いざ英語で話そうとすると押し黙ったりしどろもどろになったりして。


「いつになったらペラペラになれるんだろうなー。」


なんて、勉強は楽しいんだけど、時々溜息をついたりする毎日だった。




そんな時に何気なく見た、彼のインスタグラムのライブ配信。



『流暢』


っていう言葉がぴったりだった。


聞くと、帰国子女でもなく英会話スクールにも通ったこともなく、ただ普通に日本の学校の英語の授業を受けてきただけらしい。


私と違うのは、彼は大学受験で高校英語をある程度マスターしていて、私は中学英語で止まったまま、っていう点だけ。


英会話は大学に入ってからの数ヶ月で独学で猛練習して、そこまで流暢に話せるようになった…って。



「凄い…そんなのアリ…?」



スマホの画面を見つめながらも、私は彼のその可愛らしい笑顔に鼓動が高鳴っていくのを止められない。



少し茶色い、長くも短くもない爽やかヘアー。


口元は、常にニッコリ弧を描いていて、アイドルの女の子も顔負けな可愛さ。


目はパッチリ丸くて、芝犬に似てる…。


着ているフード付きのパーカーは、部屋着なのか外着なのか分からないけれど、ベージュ色でオシャレな印象。

多分、若い子に人気の何かのブランドものなのかもしれない。



オシャレだなぁ…。


私の周りにはこんな雰囲気の男の子はいないなぁ。もしいたら絶対意識しちゃうかも。



――いやいや、それは『自分があと10歳も若かったら』の話!


あり得ないから…。



ドキドキと高揚を抑えるように、スマホ画面を、




――閉じた。



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