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5

 授業の開始を知らせる時計塔の鐘の音が鳴り響き、教師が梅ちゃんを連れて教室に入ってきた。

 梅ちゃんはおどおどしながらも自己紹介を終え、私を見つけると嬉しそうに手を振ってきた。


「昨日はありがとうございました。 私、ウメ・マツタケ・フォスターです」

「ごきげんよう、アンジェラ・レベッカ・スペンフォードですわ」

「アンジェラ様、こちらの席、座っていいですか?」


 この学園では特に決められた席というのは無い。

 皆それぞれに、空いている席に座る。

 私が頷くと、梅ちゃんは私の隣に座った。

 なぜか私の斜め前に座っていたジークフリート王子が、わざわざ振り返って舌打ちする。

 ごめんね、梅ちゃん。 この子、悪い子では無いのよ。 ちょっと甘やかされて育ってしまっただけで……。


「あ! 昨日の! 昨日は本当に申し訳ございませんでした」


 梅ちゃんが慌てて立ち上がり、頭を下げる。

 あまりに勢いよく頭を下げたので、思い切り顔面を机に打ち付けた。

 ああ、梅ちゃん、鼻血が!

 そっとハンカチを渡す。

 梅ちゃんは照れながら「えへへ」と笑ってハンカチを鼻に詰めた。


 私は聞き逃さなかった。

 それを見たジークフリート王子が「変な女」と言ったのを。

「変な女」

 それは、恋愛フラグ。

 ジークフリート王子の態度があまりにも悪いので、ジークフリートルートは無いかなぁ、と思っていたのだけれど、アリなのかしら?

 頑張れ、ジークフリート王子。


 そして、なぜか私の前の席に座っていたエイリーク王子が、椅子を完全にこちらに向けて、私達の座っている机に頬杖をつきながら、梅ちゃんにやたらと話しかけ始めた。

 既に授業は始まっていて、教師がこちらをチラチラと見ている。

 注意したくてもできないよねぇ。 王子だもんねぇ。


「ウメ嬢は、フォスター子爵家の養女なんだって? 親戚なの?」

「え、ええ、まあ」


 エイリーク王子は目を細める。

 梅ちゃん、そいつは腹黒王子よ! しかも嘘を見抜けるチート野郎なのよ! 気を付けて!


「この国の出身なの? 今までどこの領にいたのかな?」

「ええと・・・・・・そのぉ……」


「エイリーク殿下、初対面の女性に、そのように根掘り葉掘り聞くものではありませんわ。 それに、もう授業が始まっていましてよ」


 思わず助け舟を出していた。


「アンジェラ嬢は、何か事情を知っているのかな?」

「そんな事ありませんわ」

「へぇぇ~、ふぅ~ん、そう、そうなんだね」


 エイリーク王子が悪い顔で笑っている。

 しまった。 墓穴を掘った

すみません、今日はここまでで。

今度続き書いたらまた載せますね。

それではまた逢う日まで!あでゅ~!

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