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第45話 幕間

 適度なストレス発散は健康に良い。しかし、薬も多すぎれば毒となるように、度が過ぎれば体を傷めることもある。


「いてえ」

「そんな体で戦うからです」


 まさしくその通り。暴れたせいで傷口が開いて、包帯を換えた上で鎮痛剤の世話になっている始末である。やった当初はスッキリしたのだが、薬が切れてから痛みと出血に気が付いた。馬鹿なことをした。あざ笑いながら研究所まで引っ張るなんて面倒なことをせず、さくっと殺してしまえばよかったんだ。


「仕方ねえだろ。仕事なんだから」


 とはいえ。やってしまったことは仕方がない。報酬も余分にもらったことだし、後回しになっていたエーヴィヒのベッドと、余った金で消耗品の補充に行こう。

 もう殺し合いは勘弁してほしいが、その時が来たときに何の備えもないというのは気分的に嫌だ。人の事を散々役立たずなどと罵っておいて、自分が言われる立場になるのはプライドが許さんのだ。


「あなたにはまだ生きていてもらわないと困ります」

「なぜ」

「私の望みのために」

「その望みってのはなんだ」


 以前から気になっていたものの、結局教えてもらっていない。きっとろくでもないものだろうが、こちらにも借りがある。借りとは、返すものだろう。


「今はまだ。ですがもうすぐお話できるようになります」

「……何が起きる」

「あなたもわかっているはずです」

「あえて言いたくはない」


 うちに戦車を送り込んだ糞共の巣は、何者かによって丸焼けにされていた。遠征部隊を襲撃した連中を拷問した結果、そいつらが下手人だったというのがわかった。コロニーの場所もトーマスが拷問して割り出してくれた。

 情報の真偽はともかく、頭としては動かないわけにはいかないだろう。コロニーに殴り込みをかけられて、遠征部隊を見捨てる宣言をして、メンツは完全に潰れている。メンツだけじゃなく、部下からの忠誠心も丸つぶれ。ミュータントの殲滅で多少は支持も回復しただろうが、焼け石に水。

 以上の事情から、この先何が起きるかを予想するのは容易い。だが口に出すのははばかられる。


「買い物行くぞ。来い」

「はい」


 現実逃避したところで未来が変わるわけではないが、どうせ避けられんのだ。未来を恐れるよりも、準備だけしておいて、万全を期してその時を待とう。

 というわけで安全運転で市場へ向かう。スモッグに覆われた空に癒される。この平和な光景がこの先見られなくなるかも、と思うと言葉にしがたい感情に襲われる。運転中に隻眼な上によそ見など、死にたくなければやってはいけない。


 そういうことで。当初の予定通り買い物は弾薬の補充とエーヴィヒのベッドを一つ。俺はこの先もソファーで寝る。金がないわけじゃないが、この先短いのに買ってももったいない、もっと早く買っておけばよかったと後悔したくないからだ。

 あと話すようなことは……片目と侮ってスリを仕掛けてきた奴の指を切り落としてやったくらい。エーヴィヒが捕まえなければ逃がしていたが。


 そんなところで、買い物はお終い。家に帰ってまた寝るのだった。

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