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時空魔導士の魔法研究  作者: にーしゃ
17/24

【第2章】迷宮と激闘

クラスタの迷宮第2層

俺達は宝箱を開けると同時にモンスターハウスにかかってしまった。

狭い空間に大量の魔物が発生する冒険者殺しの罠

2~3匹くらいならどうにかなるがさすがに数が多い。


足下には大量の魔物。

上の足場でミーナが見ている。


さて、あの魔法は使えるかどうか半々といったところだが・・・

やってやるさ。


俺の持っている全魔力をつぎ込んだこの1撃で決着をつける。


「万象の観測者たる無限の大地。この世全ての生命、母なる大地より生誕しやがて母なる大地へと帰らん」

言葉が自然に紡がれる。


無詠唱魔法は発射速度に優れるが範囲攻撃には向かない。

詠唱は時間がかかるが威力と範囲を大きく伸ばせる。

いつか両立させた魔法を開発したいものだな。


「母が流すは慈愛の涙、眼前全ての生命に大地の寵愛を!『地母の涙(グランドティアーズ)』!!」


自分の体からごっそりと何かを持っていかれる感触。

鼻血が垂れる。

身の丈に合わない魔法を使った反動か・・・


俺の周りに無数の岩の槍が現れる。

その数は千はくだらない。


「貫け!」


足下の魔物に岩の槍が降り注ぐ。

魔物が痛みを感じる暇もなく絶命していく。

まるで母が子供のために流す涙のように・・・。


───────────────

ミーナは目の前で起こっていることが理解できないでいた。

アルトが魔法で大量の魔物を屠っている。

赤い液体が滴っているのが見えた。


「アルトさん!」


名前を呼ぶ。

アルトがこちらを向いた。

心なしか笑っているように見えた。


まるで神話の一場面のようだった。

降り注ぐ岩の雨。

一つ一つが必殺。押し寄せてくる魔物を次々と貫く。

たった一人の魔導士は無数の魔物の命を土へと還す。


ミーナはただただ目の前の光景に見とれていた───


───────────────


「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」


魔物は全滅した。

なんとか魔法は成功したが、体中が痛い。

足場を降ろし、自分の風歩エアライドを解く。


地面に足をついた瞬間ふらついて尻餅をついてしまった。


・・・完全に魔力切れだな。


「アルトさんっ!」


ミーナがまた飛びついてきた。


「アルトさん・・・良かった・・・良かった・・・!」


「言ったろ?必ず君を守るって。君を残して死んだら守れないじゃないか」


頭をなでてやる。

強がってはいるが魔力が切れて体がだるい。できるならしばらく動きたくないな・・・。


「・・・っ!すいません!すぐに治癒します!」


ミーナの左手に緑色の光が灯る

ミーナが左手で触れた場所から体の痛みが引いていく。


これが治癒Aの力・・・すごいな。


体の痛みが引いたことにより眠気が襲ってきた。


「休んでいてください。近くに魔物はいない(・・・・・・・・・)ようですし、安全ですから」


「そうか・・・なら・・・」


もう限界だ。眠くて仕方がない。

迫る眠気に身を任せ、まどろみの中へと落ちていった。

地母の涙はどこかのAUOが使う例のアレみたいなイメージです。

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