【第2章】迷宮と複合魔法
なんとなんと前回予約投稿を忘れ日が開いてしまいました。
申し訳ありません。
クラスタの迷宮第1層
ミーナを鍛えつつアルトは新しい魔法を考えていた。
今回考えていたのは『複合魔法』
おそらく今まで使ってきた魔法の中にも複合魔法があった。
例えば火魔法のつもりで使った『火炎嵐』。これは多分火と風の複合魔法だ。
試してみよう。
普段火魔法は使うことが多いし風から試すべきだろうな。
「ミーナ、1つ試したいことができた。ちょっと下がっててくれ」
「分かりました」
ミーナが俺のすぐそばまで下がってくる。
よし、ちょうどビックスラッグが3体いるな。
「荒れ狂う風刃、敵を切り刻め『竜巻』!」
ビッグスラッグ達が風の刃で切り刻まれる。
2体はそのまま倒れたが1体は直撃を免れたらしい。
ダメージも思ったより少なそうだ。
もう一つ。属性を変えた複合魔法だ。
「吹き荒れる氷の礫、触れるもの全ての時を止めん『絶氷嵐』」
氷の嵐に触れた瞬間にビッグスラッグが凍る
そのまま砕けて消滅した。
今その場で考えたのに詠唱まで浮かんでくるのは不思議だ。
詠唱に関してもまだまだ考えることがたくさんあるな。
少し離れて様子を見ていたミーナが駆け寄ってきた・
「アルトさん、今のは?」
「今のは最初に使った竜巻に氷魔法を組み合わせてみたんだ。前に使った火炎嵐からヒントを得た。おそらくは他にも無数に組み合わせがあるんだろうな」
「なるほど・・・組み合わせですか・・・。」
ミーナが何かを考え込んでいる。ぶつぶつ何か言っている気がするがよく聞こえない。
この子は時々こうして考え込む仕草をする。
「ミーナも何か思いついたら教えてくれ。使える魔法があるかもしれない」
「分かりました。早速なんですけど・・・あっ」
ミーナは何か言いたそうだが妙にもじもじとしている。
「どうした?何でもいいんだぞ?」
「ええと・・・できれば・・・その・・・服とか・・・体を・・きれいに・・・」
自分を洗浄する魔法・・・みたいなやつか?
確かにさっきまでビッグスラッグと戦ってたし二人とも粘液やら汗やらでべとべとだ。
「分かった。やってみよう・・・ミーナ?」
「恥ずかしいけど・・・アルトさんになら・・・・」
ミーナがぜんぜん聞いていない。
「ミーナ。おいミーナ」
「はっはい!」
「どうした?完全に自分の世界に入ってたぞ」
「あ、はい・・すみません」
「とりあえず洗浄っぽい魔法をかけるからそこに立っててくれ」
「あの・・・服は・・・?」
顔を赤くしながらミーナが聞いてくる。
なるほど、風呂みたいに服を脱がなきゃいけないかもしれないことを気にしていたんだな。
「着たままでいいぞ、これから使う魔法は乾かすところまでいけるはずだからな」
水と風の組み合わせでいけるだろう。
全身を包むきれいな水と濡れた体を乾かす風
イメージだけで目の前に水球が現れた。
水球は真っ直ぐにミーナに近づいてミーナの体をすっぽりと覆う
水球がブルブルと震えだし、地面に流れ落ちる。
水球に包まれたにも関わらず服が乾いている。
おそらく中で洗浄されたあとに空洞を作ってその中に風が吹いていたんだろう。
「おお・・・ありがとうございます!アルトさん!」
体がきれいになったミーナは満足そうだ。
この魔法は『洗浄』と名づけよう。
自分に洗浄をかけながらミーナに言う。
「体もきれいになったしそろそろ進もう。早めに次の階層にたどり着きたい」
「はい!」
その後第1層を探索しつついくつか詠唱を必要としない魔法を思いついた。
・武器や道具に魔法を纏わせる『付加』
・体に風を纏い、加速・空中歩行を可能にする『風歩』
・相手の熱を探知する『熱源探知』
他にもいくつかあるがメインで使うのはこのあたりだろう。
生活で使える魔法は洗浄も含め、まとめて『生活魔法』と呼ぶことにした。
魔法を開発しているうちに第1層から第2層へ降りる階段を発見した。